《ブラジル》「イエスは銃がなかったから買わなかっただけ」ボルソナロ発言が波紋

17日のボルソナロ大統領(Foto: Zack/MCom)

 ボルソナロ大統領は15日、「イエス・キリストの時代に銃はなかった。だから買わなかった」と発言し、物議を醸した。15、16日付現地紙、サイトが報じている。
 これは15日夜、ボルソナロ氏が大統領官邸前で支持者たちと行った会話で飛び出したものだ。支持者の一人が聖書の中の一節の「剣を持たぬ者は服を売ってでも剣を買え」という一節を引用した際、大統領は「イエスの時代にはまだ銃がなかった。だから買わなかったのだ」と語った。さらに「ロシアや中国のような国に逆らうものがいないのは、彼らが核を持っているからだ」とも語った。
 この発言は早速、物議を醸した。ルーラ元大統領はその夜、ミナス・ジェライス州知事候補のアレッシャンドレ・カリル氏のキャンペーンに参加していたが、その際にボルソナロ氏の発言を紹介。「こんなことを言ったことさえ信じたくない。私にとって神は、愛や人道の象徴だ」と嘆いた。
 同じく大統領候補のシモーネ・テベテ氏も、「イエスに対する冒涜だ」と憤りを表明している。
 連邦議会内の福音派議員(下院195人、上院7人)の間では意見が分かれており、「イエスの時代にも自衛の概念があった」という意見もある一方、「多くの福音派の人たちにとっては好ましい発言ではないだろう」「剣の章の大意を履き違えている。あくまでもイエスは平和主義者だ」と否定的にとらえるものもある。

★2022年6月14日《ブラジル》ボルソナロがバイデンに選挙協力求める=米メディアが違反行為報道=PT党首「罷免に値する」
★2022年5月28日《ブラジル》大統領選支持率調査=ルーラが一次投票で圧勝か=ボルソナロに21%P差=「第3の候補」存在感なし
★2022年5月24日《記者コラム》マスクはボルソナロの応援に来た?=裏にあるビックビジネスとは

最新記事