2歳児が銃もてあそび母を誤射=父がスマホに見とれている間に

のどかな団欒のはずの自宅ベランダが悲劇の舞台に。この事件を伝えるSNS投稿(@lazarorosa25/X)
のどかな団欒のはずの自宅ベランダが悲劇の舞台に。この事件を伝えるSNS投稿(@lazarorosa25/X)

 マットグロッソ・ド・スル州リオ・ヴェルジ市で6月13日、2歳の子どもが父親の所有する銃を誤って発砲し、27歳の母親を死亡させるという痛ましい事件が発生した。父親は過失致死罪および銃器の不適切保管の容疑で、在宅起訴される見込みだ。
 事件は家族が自宅のベランダでくつろいでいた際に起きた。自宅の防犯カメラが一部始終を記録しており、ニュースサイトでもその映像が拡散されている。映像には、両親が椅子に座る中、低いテーブルの上に置かれた9mmのGlock45型ピストルを子どもが手に取り、無邪気に弄ぶ様子が映っていた。父親はスマートフォンを操作しており、母親は夫の方を見ていた。
 その直後、銃が発砲され、母親の腕と胸部を撃ち抜いた。子どもは驚いて銃を床に落とし、母親の元へ駆け寄った。母親は数歩歩いた後にその場に倒れ、父親は慌てて銃を拾い応急処置を試みたものの、搬送先の病院で死亡が確認された。
 警察によれば、現場からは使用済みの銃1丁、マガジン1本、弾丸19発(うち未使用14発)が押収された。父親は農業従事者で、銃の所持および携帯の許可証を保有していたという。事件後、父親は警察に出頭し、防犯カメラの映像と銃の登録書類を提出。聴取に対しては「子どもが銃を手にしていたのは見ていなかった」と供述している。警察は来週にも再聴取を予定している。
 さらに判明したのは、父親が過去にも銃器に関する不適切な使用で逮捕歴があったことだ。2023年10月、彼は農場で空に向けて無責任に発砲し、車で危険運転を行い、同時に人を脅迫した容疑で逮捕された。この際も銃は押収され、「脅迫」と「銃器発砲」の罪で起訴され、保釈金3640レアルを支払って釈放されていた。
 今回の事件について警察は「過失致死」および「銃器管理の不注意」として捜査を進めており、悲劇の再発防止に向けてより厳格な銃器管理の必要性を訴え、法的措置が取られる方針だ。自宅内での銃器の保管と安全対策の徹底と、小さな子どもを持つ家庭における危険回避の意識が、改めてブラジル社会に問われている。(1)(2)(3)(4)

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