【10日の市況】Ibovespaは0.77%下落して終値は118,856.48ポイント=米国のインフレ懸念が影響=ドルは1.00%上昇して6.10レアルに

 ブラジル株式市場の主要指標であるIbovespaは、10日、0.77%下落し、終値は118,856.48ポイントとなった。前日比で924.08ポイントのマイナスとなったが、週ベースでは0.27%の上昇を記録し、4週連続の下落から脱却した。
 ブラジル国内ではインフレが再び目標レンジを上回り、金融市場に懸念をもたらした。2024年12月の消費者物価指数(IPCA)は前月比0.52%上昇し、11月の0.39%から加速。インフレ目標を達成できなかったのは1999年以降で8度目であり、新たに中央銀行総裁に就任したガブリエル・ガリポロ氏には厳しい舵取りが求められる。
 さらに、2025年からは新しいインフレ目標制度が導入される。目標値は年間通じて3%(許容範囲は1.5%~4.5%)で、6カ月連続でこの範囲を超えた場合、目標未達とみなされる。

米国の雇用統計、予想を上回る結果に
 一方、米国では12月の非農業部門雇用者数(Payroll)が市場予想を上回る25.6万人の増加となり、依然として労働市場の堅調さを示した。これにより、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待が後退。ニューヨーク株式市場の主要指数は軒並み下落し、ドルも対ブラジルレアルで1.00%上昇し、1ドル=6.10レアルとなった。

銘柄別動向:ValeとPetrobrasが支えに
 個別銘柄では、鉱業大手Vale(VALE3)が8営業日ぶりに反発し、0.57%の上昇を記録した。また、石油大手Petrobras(PETR4)も0.27%上昇。国際的な原油価格の上昇が支えとなった。一方で、ブラジル証券取引所運営会社B3(B3SA3)は3.92%下落し、金融株も軒並み下げる展開となった。
 来週には米国の生産者物価指数(PPI)や消費者物価指数(CPI)に加え、ブラジル国内総生産(GDP)の速報値が発表される予定であり、金融市場の動向に注目が集まりそうだ。

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