2025年1月8日(水)、Ibovespaは前日比1.27%下落し、119,624.51ポイントで取引を終えた。取引レンジは121,160.25ポイントの高値から119,351.34ポイントの安値までと幅広く、出来高は194億レアルと日平均を下回った。過去2日間の上昇に続く調整局面と見られる。
米国大統領就任を控えた警戒感
市場は、アメリカのドナルド・トランプ次期大統領の就任を控え、不透明感が漂う中で慎重な取引が続いた。米CNNによると、トランプ氏は経済国家緊急事態を宣言し、「国際経済緊急権限法(IEEPA)」を利用して輸入規制を強化する新たな関税プログラムの構築を検討している可能性があると報じられた。この動きは、アメリカの同盟国や対立国の両方に影響を及ぼす可能性がある。
国内市場の不安定な状況
Ibovespaは取引開始直後から下落基調となり、最終的に前日比1,538.15ポイント下げて終了。為替市場では、ドルが対レアルで0.09%上昇し、1ドル=6.10レアルとなった。一方で、金利先物(DI)は短期金利がわずかに下落するに留まった。
Andbankの投資アナリストであるフェルナンド・ブレシアーニ氏は、「トランプ次期大統領の政策やブラジル国内の財政問題が不透明感を増幅しており、市場は上昇の余地を見いだせない」と指摘している。
このような背景を受け、XPインベストメントは政策金利(Selic)の年内予想を15.00%から15.50%に引き上げ、利下げサイクルの開始時期を2026年に後ろ倒しする見通しを示した。
外部環境の動向
国外では、米国の労働市場データやトランプ氏の関税に関する発言、さらに米連邦準備制度理事会(FRB)の12月会合議事録が注目された。議事録ではインフレへの懸念が強調され、投資家の間に警戒感が広がった。米株式市場は、最終的に小幅な値動きで取引を終えた。なお、木曜日はジミー・カーター元大統領の追悼日として米市場は休場となる。
主力銘柄の動向
ブラジル国内では、鉱山大手のVale(VALE3)が7日連続で下落し、終値で0.96%安となった。鉄鉱石価格の下落が中国市場で続いていることが背景にある。また、石油大手Petrobras(PETR4)も0.81%下落、世界的な原油価格の下落が影響した。主要銀行株も約1%の下落で足並みを揃えた。
一方、航空関連株は上昇する銘柄が見られ、Azul(AZUL4)が0.24%の小幅上昇となった。これは債券交換プログラムの成功が背景にあるとみられる。
木曜日には、11月の国内小売売上高データが発表される予定だが、月次では減少、前年同月比では大幅増が予想されている。市場に大きな変動をもたらす可能性は低いとみられ、年初の不安定な状況はしばらく続く見通しだ。