【16日の市況】Ibovespaは0.84%下落で終値123,560.06ポイント=ドルは0.99%上昇して6.09レアルに

 ブラジルの主要株価指数であるIbovespaは、先週に引き続き今週も悪いスタートを切り、今日も0.84%の下落で取引を終えました。終値は123,560.06ポイントで、1,052.16ポイントの下落となりました。これで3日連続の下落となり、12日(木)以来、6,000ポイント以上を失いました。今日の終値は今年6月26日の122,641.30ポイント以来、約5カ月半ぶりの安値水準となりました。
 為替市場でも、商業ドルが0.99%上昇して6.09レアルに達し、これも3日連続の上昇となりました。12日(木)や13日(金)に中央銀行が為替市場を安定させるためのオペレーションを実施しましたが効果は限定的で、今日も同様に大きな変化は見られませんでした。長期金利(DI)はさらに上昇し、15%を大きく超える水準となっています。特に中央銀行の「Focusレポート」によって、政策金利(Selic)、ドル相場、インフレ率、2025年のGDP成長率の予測がすべて上方修正されたことが影響しました。

財政パッケージの議論が焦点

 本日の取引では終値こそ下落しましたが、日中はかなり変動がありました。最終的に下落方向へ定まったのは、取引終了の2時間ほど前からで、それ以降は日中の最安値を更新し続ける展開となりました。
 エコノミストのファビオ・ロウザダ氏は「財政問題への懸念が市場の動向を左右し続けています」と指摘します。彼によれば、Focusレポートのデータは「金利曲線にストレスを与え、それに伴い金利が上昇する要因となった。これは、政府が提示した財政支出削減案が市場にとって不十分とみなされたことや、所得税非課税枠を5,000レアルに引き上げる提案などが影響している」とのことです。
 今週は、財政措置や税制改革の規制、さらに予算方針法(LDO)や予算案そのものの議論について、連邦議会にとって重要な週となります。
 「時は過ぎ、時は飛ぶ」と歌われた昔のCMのように、物事が順調に進むには努力が必要です。財務大臣フェルナンド・ハダジ氏はそれが可能だと考えています。財政パッケージに関しては、先週の医療処置後、自宅で業務を再開したルーラ大統領が「措置が骨抜きにされないように」と議会に訴えました。これがどうなるかは、しばらく様子を見守る必要がありそうです。

ヴァーレ、ペトロブラス、銀行、小売業が下落

 一方、サンパウロでは全体的に投資家心理が悪化し、主要銘柄のほとんどが下落しました。ヴァーレ(VALE3)は一時1%以上の上昇を見せましたが、結局は0.05%の下落で終了。ペトロブラス(PETR4)も国際石油価格の下落を受け、0.42%の下落でした。
 銀行株も軒並み下落し、全体的に1%程度のマイナス。特にイタウ・ウニバンコ(ITUB4)は1.09%の下落となりました。さらに、株式自社買いプログラムの発表で一時的に上昇していたB3(B3SA3)も、最終的には0.98%の下落となりました。
 小売業界も、将来金利の上昇やFocusレポートが予測した高いSelic金利を受けて苦戦。ロハス・ヘネール(LREN3)は2.93%の下落マガジネ・ルイザ(MGLU3)は5.37%の下落を記録しました。しかし例外として、GPA(PCAR3)が15.61%の大幅上昇を見せました。これは、ブラジル人企業家ネルソン・タヌーレ氏が同社株の9%を取得したとの報道によるものです。
 航空機メーカーのエンブラエル(EMBR3)も、ポルトガル政府が同社製の戦闘機12機を購入すると発表したことを受け、0.38%の上昇となりましたが、取引中には大きな変動がありました。
 また、本日上場したAutomob(AMOB3)は、初日に180.10%の上昇を記録し、好調なスタートを切りました。これについて文句を言う人はいないでしょう。

明日に向けて

 明日には、ブラジル連邦議会での議論に加えて、先週行われたブラジル中央銀行の金融政策委員会(Copom)の会合議事録や、米国の重要指標(小売売上高、工業生産)に注目が集まります。週の始まりに過ぎませんが、投資家には落ち着いて状況を見守ることが求められそうです。

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