【21日の市況】Ibovespaは0.30%高の132,344.88ポイント、小幅上昇で週を終える=ドルが0.73%上昇して5.717レアルに

 金曜日がやってきたが、市場の雰囲気はどこか覇気に欠ける一日だった。ブラジルの主要株価指数であるIbovespaは、方向感を欠いたまま推移し、最終的に0.30%高の132,344.88ポイントで取引を終えた。わずか389.98ポイントの上昇と控えめな結果だったが、それでもプラス圏を維持した。

 一方で、週間では2.63%の上昇を記録し、3週連続のプラス圏となった。過去2週間はそれぞれ1.82%、3.14%の上昇となっており、今年に入ってからの上昇率はすでに10%を超えている。
 為替市場では、商業ドルが0.73%上昇し、1ドル=5.717レアルとなった。また、金利先物(DI)は全期間で上昇を見せた。

米国市場、下落から持ち直す

 投資家たちは、ドナルド・トランプ政権の関税政策が今後も経済の不確実性要因として市場に影響を与えることを既に認識している。
 この日、ニューヨークの主要株価指数は一時的に大きく下落したものの、取引終盤には持ち直し、小幅な上昇で取引を終えた。
 Simplify Asset Managementのチーフストラテジスト、マイケル・グリーン氏は「企業は、計画や資本支出、採用決定において混乱や不確実性が高まっていると頻繁に言及するようになった。これらが停滞すれば、経済の減速につながる」とCNBCの取材に答えている。

第4四半期決算に注目が集まる

 この日は特に重要な経済指標の発表もなく、ブラジリアの政治動向も、前日に2025年予算案が迅速に承認されたため静かな一日となった。そのため、投資家たちは企業のニュースに注目した。
 市場では、指数の内外でさまざまな動きが見られた。Ibovespaに含まれない銘柄では、小売大手のCasas Bahia(BHIA3)が12.52%上昇し、3月だけで200%以上の上昇を記録した。また、Bemobi(BMOB3)は第4四半期決算と配当発表を受けて9.40%上昇した。
 Ibovespa構成銘柄の中では、証券取引所運営会社B3(B3SA3)が1.29%上昇し、3日連続の上昇を記録した。銀行セクターではBradesco(BBDC4)が1.38%の上昇を牽引し、他の銀行株はほぼ横ばいとなった。
 資源株では、Vale(VALE3)が0.37%と小幅な上昇にとどまったが、Petrobras(PETR4)は国際原油価格の上昇を背景に1.55%上昇した。
 一方、決算発表が影響を与えた銘柄もあった。電力会社Cemig(CMIG4)は、第4四半期の純利益が前年同期比で約50%減少し、4.85%の急落を記録。取引量でも最も多い銘柄となった。また、化粧品メーカーNatura(NTCO3)は1.66%下落。先週の決算発表後に30%もの急落を見せた同社は、持ち直すことができなかった。この日は持株会社の構造をNatura Cosméticosに統合する計画を発表し、経営陣にも変更があったことが影響した。

ルーラ大統領、ブラジルの成長に楽観的な見解

 政治の世界では、ルーラ大統領が世論調査の厳しい評価に直面しているが、それでも楽観的な見方を崩していない。
 彼は、ブラジル経済が再び3%成長を達成できると考えており、「中小企業への豊富な融資や、インフレを上回る最低賃金の上昇によって、経済は改善するだろう」と述べた。ただし、それを実現するにはインフレとの調整が不可欠となる。

銀行業界に変革の波—Campos Neto氏が見解

 ブラジル中央銀行の前総裁であるロベルト・カンポス・ネト氏は、金融業界の変革についての見解を示した。
 彼は「現在のイノベーションの力が、従来の銀行システムを不可避的に破壊(ディスラプト)する」と語り、金融業界における主要なトレンドを挙げた。

  1. トランザクション型銀行の衰退:決済や送金に依存する銀行は、フィンテックの台頭と即時決済システムの発展により、価値を失う可能性がある。
  2. 国際銀行の成長:国境を越えた決済がより容易になり、銀行はグローバルなプラットフォームへと進化していく。
  3. オープンデータとオープンファイナンスの普及:情報の非対称性が解消され、消費者はより多くの選択肢を得られるようになる。

「ブラジルの財政に急激なショックは不要」—世銀関係者

 世界銀行のマルコス・チリアット・レイチ氏は、ブラジル経済の安定性について語った。
 彼は、「ブラジルの2024年の成長率は3.5%に達し、G20の中でも特に高い成長率を記録した」とし、国内で発生した厳しい気象災害(例:リオグランデ・ド・スル州の大洪水)を考慮すると、これは特筆すべき成果だと述べた。
 また、同氏は「財政面での課題は依然としてあるが、政府は調整策を進めており、急激なショックは必要ない」との見解を示した。
 2025年の成長見通しについては、サービス業や労働市場の減速が見られるものの、「少なくとも農業と石油セクターは引き続きブラジル経済の成長を支える」と述べた。

最新記事