福島県人会が忘年敬老会開催=懐かしい昭和振り返るクイズも

 ブラジル福島県人会(佐藤フランシスコ紀行会長)は8日午後、サンパウロ市の同会館で「ゴールデン昭和(1965~75年)」をテーマにした忘年会兼敬老会を開催し、約60人が会食を楽しみながら和やかにクイズや歓談をした。会場には「ゴールデン昭和」期に来伯公演した小林旭や西郷輝彦、弓場バレエの文協公演、沖縄祖国復帰記念祝賀芸能祭などのパンフレットやポスターなども特別に展示された。

 

会館が一杯になった忘年会

 佐藤会長は最初に「色々なことがあった年だと思いますが、今日はみんなで楽しみましょう」と呼びかけ、事務局長の渡辺三男さんが乾杯の音頭を取った。80歳以上の会員には、母県の日本酒などが贈られた。

梅津さん夫妻

 忘年会3回目の参加という梅津久さん(76歳、福島県出身)は「1973年に工業移住、38年間マナウスの日本企業で働いて、最近サンパウロに戻って来てから県人会に参加させてもらっている。マナウスでは良い経験をさせてもらった。子供がこちらで進学就職していたから、やっぱり老後はこちらに戻ろうと思って。コチア青年とか青年隊は集まっているが、工業移住者が顔を合わすことがあんまりないので、そういう機会があるといいね」と述べた。
 リンス市からわざわざ参加した会員の森ルシアさん(61歳、2世)は、佐藤会長の妻で文化理事のクリスチアネさんと一緒にJICA研修で22年に着付けを日本で学んだ縁で、「リンス慈善文化体育協会会館で昨年から着物のファッションショーを開催し、昨年は75人が、今年は91人が着物モデルを務めた。リンスの非日系人はとても着物を気に入ってくれた」と喜ぶ。

 当日は佐藤会長の発案で、景気が良かった「ゴールデン昭和」を懐かしむクイズがテレビ画面に映し出され、見事回答した人にはもれなく景品が当たった。中には当時活躍したバント名、南米銀行のロゴを当てる質問、ガルボン街の鳥居が作られた年、福島県人会会館は当時どこにあったか、など古株会員には嬉しい出題もあり、皆が競うように手を上げていた。

1月に研修にいくレティシアさんと佐藤会長

 1月末から10日間、母県に短期研修に行くことが決まっているレティシア・マユミ・サトウ・ナッシメントさん(30歳、4世)は「日本食やアニメ、ドラマなど母から日本文化を教えてもらってきた。良い研修になるように、今一生懸命に日本語を勉強しています」と笑顔を浮かべた。
 匿名希望の戦後移民の女性(78歳、福島市生まれ)は「父が南銀に口座を持っていたから、ロゴが出て来て懐かしかった。父は県人会の役員もやっていた。今日は楽しかったわ」としみじみ語った。

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