文協評議員会=臨時収入でなんとか実質黒字に=エ婦人会寄付や史料館入場者増が貢献

評議員会で呼びかける石川会長

 ブラジル日本文化福祉協会(文協、石川レナト会長)の第164回評議員会が4月20日午前、同文協ビル貴賓室で開催された。40人(うち9人は委任状)が出席し、2023年度の活動報告と会計を承認。石川会長は5月4日にサンパウロで行われる岸田文雄総理大臣歓迎会への幅広い参加を呼びかけ、「来場者は4日午前11時半から午後0時15分までの間に文協大講堂に入場してほしい。皆で歓迎しましょう」と述べた。会議後にエスペランサ婦人会解散時の寄付金25万レアルの一部を使って改修された文協庭園の再開所式が行われた。

 冒頭、山下譲二評議員会会長の呼びかけで、最近亡くなったエリソン・トンプソン・リマ、貞方賢彦両評議員に1分間の黙祷が捧げられた。理事会の石川レナト会長から五つの活動方針の達成具合が報告され、「8月の日本館70周年記念行事の準備が進んでいる」「国士舘公園の原澤和夫パビリオンの工事を今年中に完了したい」「青年部を中心とした昨年の文化祭りが大成功だった」「昨年の海外日系人大会では67人が訪日して海外勢ではブラジルが最多だった」などと説明があり、評議員諸氏の理解と協力に感謝した。
 続いて照屋ウーゴ専任理事から昨年の活動報告があり、石川会長ら海外日系人大会参加者はみな自費で訪日しており、文協から一切出費がなかったことや、文協のインスタグラムのフォロワー数が昨年4月からこの3月までに1万7千から2万5千に45%増となったことなどが説明された。頃末アンドレ議長の進行により、「賛同者は着席のままで」と案内が行われ、承認された。
 次に大塚ウィルソン会計専任理事から昨年の会計報告があり、総収入は512万1017・08レアル、総支出は550万3025・99レで約38万レの赤字だったが、解散したエスペランサ婦人会からの寄付金(文協に20万レ、史料館に5万レ)、コロナ期間中の赤字会計を補うために役員が計10万レを文協に貸し付けていた分を昨年寄付に変えたことなどを含めた臨時寄付収入72万1471・36レがあったため実質黒字になった。
 2022年後半から史料館入場者が急激に増え、23年は年間を通してそのペースで入場料収入が入ったこと、日本館の入場者収入増などが黒字化に寄与している点なども報告された。
 ただし、減価償却(高額な機械設備や内装設備などを長期間使用し、経年劣化が生じるような資産の取得価格を、耐用年数に応じて1年ずつ分割して経費計上すること)という税金を減らす会計処理をすることで、数字上は17万2083・30レアルの赤字になるなどの報告が行われた。
 ファブリシオ・コイケ会計監査による報告書には、1995~2005年の日本語学校教師雇用主側INSS支払いの法的借財問題に関して、法務委員会のアドバイスに従って適切な法的対処が施されており、万が一敗訴した場合のために補償する財産を準備していることなども指摘されており、監査役を代表して清原健児氏は「適切な会計報告だと認める」と報告し、着席承認された。
 石川会長が最後に、4日の岸田総理歓迎会に向けて、「できるだけ多くの参加者を」と呼びかけを行い閉会した。評議員会参加者はエスペランサ婦人会の寄付金で回収した文協庭園の再オープンセレモニーに向かった。

最新記事