文協評議員会=西尾ロベルト新会長を選任=佳子さま歓迎式典6月6日=石川レナト氏は名誉会長に

就任証書にサインをする西尾新会長

 ブラジル日本文化福祉協会(文協、石川レナト会長)の第166回評議員会が4月26日午前、同文協ビル貴賓室で開催され、50人(うち8人は委任状)が出席し、2024年度の活動報告と会計を承認。役員選挙が行われ、今後2年間の新理事会と評議員会、幹事会の連記名簿(シャッパ)が承認され、新会長には予想通りの西尾ロベルト氏が選ばれた。西尾氏は、文協大講堂での佳子さま歓迎式典は6月6日だと明らかにし、事前登録制になるので詳細は決まり次第広報すると述べた。

 照屋ウーゴ専任理事から昨年の活動報告が豊富な写真スライドを使って行われた。昨年4月に国士舘公園で第1回万国祭り開催、5月の岸田総理歓迎会、7月に桜祭り開催、8月の日本館建設70周年式典、11月には日本移民史料館がカナダ・ビクトリア大学主催国際会議に参加して現在開催中の特別展「日系社会忍耐のルーツ」に結実した件などが報告された。
 平野オストン副会長からは、昨年の海外日系人大会時に東京で行った第1回文協日本コネクション(Conexão Bunkyo Japão)では70人の在日ブラジル人の若者が集まり交流が深まり、今年は名古屋でさらに盛大に開催すべく準備が進んでおり、日本を代表する日系団体を作ることが目標だと説明され、「我々の旅費などは石川会長が個人負担してくれたからできた」と感謝を述べた。
 次に大塚ウィルソン会計専任理事から昨年の会計報告があり、収入は418万レアル、支出は504・8万レで約86・7万レの赤字だったが、イベント収入や補助金などの臨時寄付収入148・9万レがあったため大幅な黒字62・1万レになったと報告された。

新理事会の主要メンバー(左から原長門、原沢カルロス、上田マサミJR、福原カルロス、西尾、山下リジア、平野オストン、猪股レオナルド各氏)

 今まで各委員会が別々に寄付金集めをしていたが、石川会長の采配で一括して補助金請求をするように変え、その道の専門家に依頼して効率よく、大きな金額が見込めるようになったことで、財政が良くなったことが説明された。
 昨年末現在で100万レ以上のキャッシュがあり、非常時の備えが46万レ、原沢パビリオン用資金に40万レが貯められており、「合計200万レ以上の余裕があり、財政状態はとても安定している。またパンデミックのよう非常事態が起きても1年は持ち堪えられる。これに慢心せず、今の状態を維持して、さらに強固な財政状態にする必要がある」と大塚氏は提言して報告を終え、拍手で承認された。

退任の挨拶をする石川レナト氏

 その後、役員選挙となり、木多喜八郎選挙委員長が、唯一提出されていた西尾氏の連記名簿の承認の可否を問うと、満場一致で認められた。西尾氏は「石川氏と比較されるのが怖くないかとよく聞かれるが、そんな比較は考えたこともないし、今後も考えることはない」と前置きした上で、「石川氏が拡大した活動を担える組織的な体力を鍛え、若手に引き継ぐための期間として全力尽くす」と就任の挨拶をした。
 西尾氏の提案で石川氏は今後も「名誉会長」として文協支援を続けることになった。石川氏は最後に退任の挨拶を行い、6年間の成果を総括し、企業経営者の視点から文協改革を行い、財政好転と若者巻き込みに重点を置いて結果を出してきたことを強調した。

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