特集=ブラジル三重県人会=知事、議長ら慶祝団15人来伯

祝賀会で乾杯する舞台上の来賓たち

 ブラジル三重県人文化援護協会(広瀬哲洋《てつひろ》会長)は20日午前10時から、サンパウロ市ビラ・マリアナ区の三重会館で、同協会設立80周年、三重県サンパウロ州姉妹提携50周年、ブラジル三重県人移住110周年を記念して式典祝賀会を行った。日本から一見勝之(いちみかつゆき)三重県知事、中森博文(ひろふみ)三重県議会議長はじめ、伊賀忍者『阿修羅』を含む15人の慶祝団が来泊。総勢約300人が式典祝賀会に参加した。

 渡辺エドワルド健二さん(日本語)と河原ミレーラ弘子さん(ポルトガル語)の司会で、下川孝(しもかわたかし)副会長が開会あいさつし、移民先亡者に黙とう、日伯両国歌斉唱、来賓が紹介された。ブラジル三重県人文化援護協会の広瀬会長があいさつした後、桑名良輔在サンパウロ総領事は、「本年はブラジル日本移民115周年、三重県とサンパウロ州が姉妹提携して50年という特別な節目の年に当たります。そして三重県人が移民船『神奈川丸』に乗ってブラジルに移住して110年。現在、ブラジル日系人の数は200万人と言われ、日系人は各界で活躍され、ブラジル人から高く評価されております。三重県人とその子弟は母県と交流を深めて80年にもなります。その努力に心から敬意を表します」と述べた。

祝辞を述べる一見勝之三重県知事

 一見県知事はあいさつの中で「三重県人と血のつながった若者3人を県に招待して理解を深めてもらおうと計画しています」と発言、場内から盛んな拍手が送られた。「三重県人だけでなく三重と血のつながる子孫の方々が三重県を訪れる際には心からお迎えいたします」と招待して再び拍手を浴びていた。

祝辞あいさつする中森博文三重県議会議長

 中森県議会議長は剣道五段・居合道錬士六段の実力の持ち主、あいさつの後、祝賀会で居合道を披露したいとし、実際に居合を演技した。
 江口雅之国際協力機構(JICA)ブラジル事務所長は、「私どもは、日本国内に複数の国内拠点を設けておりますが、JICA中部は、三重県では環境技術の複数の研修コースを展開、日本国内における開発教育や外国人材受け入れについて連携協力をしております。今後も、ブラジルと日本の相互交流において、三重県および三重県人会を通じた取り組みをJICAとしても側面支援してまいりたいと思います」と祝辞を述べた。
 市川利雄ブラジル日本都道府県人会連合会会長は、「三重県には素晴らしい所が多くあります。三重県の移住者子弟が母県の素晴らしい所を知り、移民のふるさとである母県に誇りを持ち、これからの三重県人会を支えていくよう、願っています」とあいさつした。
 野村アウレリオ・サンパウロ市議会議員は「私の母方の祖母は三重県出身です。19歳の時に初期移民としてブラジルに来ました。夜、自分はご飯を食べずに水を飲んで子供にご飯を食べさせたと言っていました。マリリア市に移ってようかんを作って売り、生計を立てたようです。日系2世、3世、今では5世も生まれていますが弁護士やエンジニアになって豊かな生活をしております。バストス市の西徹(にしとおる)は六つの時、三重県熊野市から移住し、ブラジル初の市長になりました」とブラジルにおける三重県人の苦労話と活躍を紹介した。

三重県海外功労者として表彰された(左から)竹内大恵子さん、渡部一誠教授、川村真由美校長

三重県海外功労者表彰3人

 祝電紹介の後、三重県が川村真倫子(まりこ)松柏(しょうはく)学園園長・大志万(おしまん)学院設立者を表彰、代理で娘の川村真由美(まゆみ)大志万学院校長が表彰状を受け取った。竹内大恵子(たえこ)剣道指導者(ブラジル三重県人文化援護協会評議員補欠)、渡部一誠(わたなべいっせい)サンパウロ総合大学(USP)解剖学教授でブラジル日本研究者協会前会長も表彰した。

感謝状を受賞した佐藤フランシスコ紀行さん(左)と木村武カルロスさん

県が2人に感謝状授与

 三重県がブラジル三重県人文化援護協会の活動を通じて社会に貢献した木村武(たける)カルロスさんと佐藤フランシスコ紀行さんに感謝状を贈った。
 高齢者表彰では、ブラジル三重県人文化援護協会が12人の高齢者に表彰状を授与、花鉢を贈った。記念品交換では、竹内大恵子さんが表彰者を代表して謝辞を述べた後、県知事と三重県議会議長から同協会に記念品が贈呈され、同協会から三重県知事、県議会議長に記念品が贈られた。

ブラジル三重県人文化援護協会から高齢者表彰された12人

 野村市議は一見県知事と中森県議会議長に感謝状とサンパウロ市の市章を贈った。ブラジル三重県人文化援護協会剣道部の塩野エジソン部長が式典閉会の辞を述べた。
 最後に祝賀会では来賓5人により鏡割りが行われ、ブラジル三重県人文化援護協会評議員会の松本茂(まつもとしげる)会長の音頭で乾杯した。会食のあと、バストス昇竜太鼓の演奏、その後、中森三重県議会議長が居合を披露した。次に健康体操グループ12人が『忍にん体操』を披露、続いて、高山トーマス元成、中原森田カロリーナあけみさんが『日本剣道形』を真剣で気合の入った鋭い技を披露した。

 最後は伊賀忍者特殊軍団『阿修羅(あしゅら)』が本物の手裏剣、吹き矢を使って演技した。


【日本からの慶祝団】一見勝之三重県知事、中森博文三重県議会議長、山内伸晃(のぶあき)三重県政策企画部国際戦略課課長、谷徳彦(のりひこ)三重県政策企画部国際戦略課課長補佐、大仲洋平(おおなかようへい)三重県総務部秘書課班長、沖野純子(おきのじゅんこ)三重県議会事務局総務課班長、三谷良樹(みたによしき)三重県雇用経済部企業誘致推進課主幹兼係長、森本裕也(もりもとゆうや)三重県政策企画部国際戦略課係長、オカモト・ジュリア三重県ダイバーシティ社会推進課国際交流員、山田雄司(ゆうじ)三重大学国際忍者研究センター副センター長(人文学部教授)、吉丸雄哉(よしまるかつや)三重大学国際忍者研究センター担当教員(人文学部教授)、川上仁一(かわかみじんいち)三重大学国際忍者研究センター・三重大学産学官連携アドバイザー・伊賀流忍者博物館名誉館長、伊賀忍者特殊軍団阿修羅の知之助/虎徹/香鈴。
【日本側来賓】桑名良輔在サンパウロ総領事、江口雅之独立行政法人国際協力機構(JICA)ブラジル事務所所長
【ブラジル側来賓】市川利雄ブラジル日本都道府県人会連合会会長、野村アウレリオサンパウロ市議、西本エリオ元サンパウロ州議(1973年に三重県と姉妹州県提携)ほか5人。
【ブラジル側来賓】原宏(はらひろし)JETRO(日本貿易振興機構)サンパウロ所長、渡部一誠(わたなべいっせい)サンパウロ大学解剖学教授・ブラジル日本研究者協会前会長、川村真由美(まゆみ)大志万学院校長、竹内大恵子(たえこ)剣道指導者(ブラジル三重県人文化援護協会評議員補欠)、二宮正人(にのみやまさと)サンパウロ大学法学部教授・国外就労者情報援護センター(CIATE)理事長、荒木進(すすむ)オザスコ日伯文化体育協会会長(1976年に津市と姉妹都市提携)ら。


式典挨拶=ブラジル三重県人文化援護協会会長 広瀬哲洋

祝辞あいさつする広瀬哲洋会長

 三重県人移住110周年、三重県人会創立80周年、三重県とサンパウロ州との姉妹提携50周年を記念する、この祝賀会にお集まりいただき、主催者として心から感謝申し上げます。
 特に、はるばる母県から一見勝之知事、中森博文県会議長をはじめとする三重県から15名の慶祝団の皆様がおいで下さりました。有り難うございます。
 在サンパウロ総領事の桑名良輔様、今回のサンパウロ州政府とのアポイントを取って頂くなど、後押しをして頂き感謝申し上げます。平素から三重県人会を応援して下さっているご来賓の皆様、ようこそおいで下さいました。有り難うございます。
 さらに会員の皆様、元会長の徳力敬三様をはじめ三重大学の同窓生の皆様、ご参加下さり有り難うございます。
 今日、この記念祝賀会にはバストス市からも応援に駆けつけて下さっている方々がおられます。紹介をさせて頂きます。
 バストス日系文化体育協会(ACENBA)
の吉田クラウヂオ会長、と元三重県人会会長の西徹様の長女であるリヂア・ムツミ西・鶴様です。彼女が育てられたバストス昇竜太鼓のメンバー25人を引き連れてバストス市役所のバスで5名の父兄の方々と共に参加してくれました。有り難うございます。
 県人会の源流はバストスにあり、1930年代の調査によりますと当時132名の三重県人がバストスにおりました。80年前、バストス在住の三重県移住者は「三重県人親睦会」に参加しており、その時の会長は石橋長児さんでした。
 この席で西徹様について、顕彰をさせて頂く意味で少し詳しく、彼のことを話させてください。三重県熊野市で1923年2月27日に生まれた西徹は1929年に両親静一・みえと妹しずとラプラタ丸に乗ってブラジルに渡り、すぐにバストス移住地に入植し、その地で功、禮三、登、澄司の4人の弟が生まれました。
 彼は両親や弟たちがサンパウロ市に移り住んでもバストスに留まり、地元の農業組合の会長になり、1959年から1963年までの期間、バストス市の市長を務めました。徹は日系人で初めてブラジルの一つの市の市長になり、当時のカルバーリョ・ピント州知事から「奥地の最優秀市長」として表彰されました。
 1970年代に三重県人会の理事会に参加していた徹は1974年に副会長になり、1978に評議会会長、1986年から2004年にかけて18年間、県人会の会長を務めた、とあります。
 現在のこの三重会館の建設及び落成式は西徹の会長任務中に行われました。そして当時まだ剣道初段だった竹内憲一、大恵子夫婦に三重剣道部を創り、育てるように指導と応援をされて、以来30年後の今日、ブラジル有数の剣道の道場がここ三重県人会に存在する訳であります。
 まことに三重剣道部は人材の宝庫と言って過言ではありません。本日の式典に当たりましても沢山の剣道部の青年達が活躍をされておられます。
 また、和歌山県出身のご両親をお持ちで、バストスに生まれ育たれた渡部一誠、サンパウロ大学の専任教授も西徹氏の強い勧めで三重県人会に入られて今日まで活躍されておられます。
 その様な立派な方がおられて今日の三重県人会がある訳です。彼が生前モットーにしていた、「会員間の融和と団結の三重県人会」を目指して、私も努力をして参りたいと考えます。ご清聴有り難うございました。

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