優勝スティーブンさんら日本へ=スポゴミ世界大会予選を初開催=ゴミ拾いをスポーツ化で話題に

 ゴミ拾いをスポーツ化した「SPOGOMI」(スポゴミ)の世界大会「SPOGOMI WORLD CUP 2023」が11月に日本で開催されるにあたり、予選大会「SPOGOMI WORLD CUP 2023 Brazil STAGE」が28日、サンパウロ市ピニェイロス区で開催された。ブラジルで予選大会が行われるのは今回が初めて。スポゴミは1チーム3人で行われ、予選大会には27チーム計81人が参加した。1時間で29キロのゴミを収集したスティーブン・パーリーさんチームが優勝を果たし、日本行きを決めた。

 スポゴミは2008年に日本で発祥した競技で、名称は「スポーツ」と「ゴミ拾い」を掛け合わせて作られた。競技参加者は、制限時間内に指定エリア内でゴミを収集し、収集量やゴミの種類に応じて与えられるポイントの多さを競う。
 「SPOGOMI WORLD CUP」は、日本財団の国際的な海洋ゴミ削減活動普及事業「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環として実施されている。大会運営は一般社団法人「ソーシャルスポーツイニシアチブ」が行っている。
 開会式がヴィクトル・シヴィタ公園で午前9時半に行われた。開会挨拶に立った宇田川貴康日本財団海洋環境チームリーダーは、参加者に海洋ゴミの減少には流出元である陸上のゴミ拾いが重要であると訴え、「スポゴミがゴミ問題に目を向けるきっかけになれば嬉しい」と語った。
 アルマンド・ネットサンパウロ市経済発展労働局長は、「サンパウロ市では1日に約1万8千トンのゴミが排出されているが、収集に関して多くの課題を抱えている。ブラジルがスポゴミ大会参加国となったことで、市民のゴミ問題に対する意識変化が期待される」と感謝を述べた。
 開会式後、ルール説明とゴミ拾い道具、エリアマップの配布が行われ、各チームは地図を見ながら真剣な様子で戦略を練った。

 予選大会では1時間で計179Kgのゴミが集められた。優勝は29キロのゴミを集め、3490点を獲得したヴィトル・キネット(36歳)、ナイラン・カブラル(34歳)とスティーブン・パーリー(31歳)さんチームだった。
 チームリーダーのスティーブンさんは「ゴミ拾いは汚くて大変という印象だったけど、スポーツとして行うと抵抗感なく気軽に行えた」とスポゴミの感想を述べ、「日本へゴミ拾いしに行くことがとても楽しみだよ」と笑みを見せた。
 日ごろから海岸でゴミ拾いを行っているというナイランさんは「思ったより体力が必要で驚いた。へとへとでもう歩けないよ」と話し、11月の世界大会に向けて「体力作りとゴミ拾いをしてトレーニングをしていくよ」と意気込みを語った。
 ヴィトルさんは優勝の喜びを語るとともに、「大会によって人々の関心が集まれば、きっとゴミ問題に対する意識も変化する」と語った。
 世界大会は日本を含めた世界21カ国の代表チームによって、東京都を舞台に行われる。

サビアのひとり言

ジェフェルソンさん

 スポゴミ大会で初めてゴミ拾い活動を行ったというジェフェルソン・パウロさん(50歳)は、「ゴミ箱が設置されているのに、なぜゴミ箱の外に捨てるのか」とゴミ箱があるのに使わない人たちの存在を改めて認識し、驚きを隠せない様子だった。大会後、「今日私たちは多くのゴミを拾ったが、全体から見れば、砂浜の砂一粒のようなものなのだろう」と取り組むべきゴミ問題の大きさを実感した様子だった。

 

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