サンパウロの州立校で死傷事件=13歳生徒が刃物で襲う

事件を知って駆け付けた父兄(Fernando Frazao/Agencia Brasil)
事件を知って駆け付けた父兄(Fernando Frazao/Agencia Brasil)

 サンパウロ市ヴィラ・ソニア区の州立トマジア・モントロ校で27日朝、刃物を持参した13歳の生徒(8年生)が教師らを襲い、教師1人が死亡、教師と生徒4人が負傷する事件が起きたと同日付G1サイト(1)(2)(3)(4)、アジェンシア・ブラジル(5)などが報じた。
 同校では身体的・精神的な暴力が繰り返されていたとされ、犯行に及んだ生徒は先週、別の生徒を「黒んぼの猿」と呼び、喧嘩になった。最初に襲われたのは喧嘩を引き分けた教師で、「復讐してやる」との言葉を浴びせられたが、誰もこのような事件の発生は予想していなかった。
 この日は喧嘩の相手だった生徒は学校に来ておらず、喧嘩を止めた教師が襲撃された。友人によると、男子生徒は髑髏が描かれた覆面を被り、教室に入ると教師のところに直行。背中や頭を刺したが、教師は授業中で防御する間もなかった。
 校長は先週起きた喧嘩の事で当事者達と話し合う予定だったが、その前に事件が起きてしまったという。事件の前にはSNSで予告していたようだ。
 死亡したエリザベッテ・テンレイロ氏は71歳で、教育を使命として教壇に立ち続けていた。この事件では他の教師3人が負傷。また、教師を助けようとした男子生徒1人も軽傷を負った他、ショック状態を起こした生徒1人が病院に運ばれたが、けがはなかった。
 犯行に及んだ男子生徒は体育担当の女性教師に取り押さえられ、刃物も取り上げられた後、警察に引き渡された。彼女の勇気ある行為がなければ、犠牲者がさらに増えていた可能性があったという。

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