モウロン副大統領、最後の挨拶で物議=ボルソナロを痛烈批判

 モウロン副大統領(当時)が12月31日、ボルソナロ大統領(当時)に代わって、任期最後の挨拶を全国のテレビとラジオで行った。モウロン氏はそこで不在のボルソナロ氏を批判したと思われる発言を行い、物議を醸した。1日付現地紙などが報じている。
 モウロン氏が最後の挨拶を行うに至ったのは、この前日の12月30日にボルソナロ氏が大統領の任期を1日残して米国のフロリダに飛び立ってしまったためだ。
 モウロン氏はこの日の放送の前半は、ボルソナロ政権における経済やコロナ対策への取り組みや、それらの成果が出ていることを冷静に伝えていた。
 その後、政権交代について話が及び、「政権交代が滞りなく行われるのは国が健全な証拠」と発言した。
 だが、話が10月30日の大統領選以降にボルソナロ氏の支持者が過激化し、軍事介入を求めるに至ったことになると、表情を曇らせ、大統領の名前こそあげなかったものの、「リーダーたるものが沈黙を続け、不謹慎な流れの主人公になり、国を混乱に陥れている。それによって、軍がクーデターを起こすことを望まれるなどのとばっちりを受けている」との表現で不満を表明した。
 この発言後、大晦日になっても軍施設の前で抗議活動を行っていた大統領派は荒れ、現地では「裏切り者」の声がこだました。大統領次男のカルロス氏、三男エドゥアルド氏もネット上でモウロン氏を激しく罵り、話題を呼んだ。

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