ルーラ次期政権、閣僚人事第1弾5人を発表=財相にハダジ、国防相はムシオ=第2弾は来週以降に発表

新閣僚の会見(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)
新閣僚の会見(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 ルーラ次期大統領(労働者党・PT)は9日、閣僚人事の第1弾を発表した。事前に予想された通り、財相にフェルナンド・ハダジ氏(PT)、国防相にジョゼ・ムシオ・モンテイロ氏など、5人の名前が発表された。9日付現地サイトが報じている。
 閣僚発表は午前11時にブラジリアのブラジル銀行文化センター(CCBB)で行われ、ジェラルド・アルキミン次期副大統領やグレイシ・ホフマンPT党首らも列席した。
 最初に発表された閣僚は5人で、財相にフェルナンド・ハダジ氏、官房長官にルイ・コスタ氏(PT)、 国防相にモンテイロ氏、法務・治安相にフラヴィオ・ジノ氏(ブラジル社会党・PSB)、外相にマウロ・ヴィエイラ氏が就任する。彼らはいずれも事前に予想されていた人物で、この日の会見にも出席した。
 ルーラ氏は会見で、「歳出上限法にこだわらない政権移行PEC(憲法補則法案)こそがボルソナロ政権で生じた問題を解決する鍵」とし、自身の経済論を主張。さらに、ハダジ氏を財相と定めたことで「政権移行PECがさらに承認されやすくなる」と語った。
 ハダジ氏の財相起用は当初、「経済分野での経験がない」として懸念されていたが、サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)で見る限り、発表直後に0・32%上がるなど、否定的な反応は起きていない。
 また、ムシオ次期国防相は既に、3軍の次期司令官に関し、「昔ながらのやり方、つまり従軍経験の長い人の間から選ばれることになる」と語った。既に内定しているとされる司令官は、空軍がマルセロ・カニッツ・ダマセノ氏、陸軍がジュリオ・セーザル・デ・アルーダ氏、海軍がマルコス・サンパイオ・オルセン氏だという。
 ルーラ氏は「国軍の責任は国民と国の主権を守ることで、政治を行うことではない」とし、軍人官僚を多数生んだボルソナロ政権との違いを主張した。
 一方、ジノ氏はこの会見で次期連邦警察司令官にはアンドレイ・ロドリゲス氏が就任すると発表した。同氏は2010年の大統領選でのジウマ氏、今年の大統領選でもルーラ氏の警備を務めた人物として知られている。
 ヴィエイラ氏はジウマ政権でも外相を務めており、「ブラジルは長らく世界に不在だった。それが戻るように努めたい」と語り、ボルソナロ政権が受けた環境問題での国際的批判を払拭したいと語った。
 アルキミン氏によると、「政権の引き継ぎ作業は12日に終わる」とし、政権移行の準備が進んでいることを強調した。だが、今回の5人以外の閣僚の名前は、12日に認証(ディプロマ)を授与されてから発表すると語った。
 閣僚入りが噂されている候補としては、環境相にマリーナ・シルヴァ氏、文化相にマリゲッチ・メネゼス氏などの名前が出ており、大統領選3位のシモーネ・テベテ氏(民主運動・MDB)も社会開発相に就任するものとみられている。

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