次期政権新閣僚名が一部判明=財相はやはりハダジか=法相ジノ、外相ヴィエイラ?

ハダジ氏(左)とジノ氏(twitter)
ハダジ氏(左)とジノ氏(twitter)

 ルーラ次期大統領(労働者党・PT)が側近に、次期政権の閣僚として複数の候補の名を明かしたと2~4日付現地紙、サイトが報じている。報道によれば、財相はフェルナンド・ハダジ氏(PT)、法相はフラヴィオ・ジノ氏(ブラジル社会党・PSB)だという。
 2日付ヴァロール・エコノミコ紙などには、財相には既に噂のあったハダジ氏の名前があげられている。ハダジ氏はルーラ〜ジウマ政権で教育相を務めた後、サンパウロ市市長に当選。2018年の大統領選にはルーラ氏の代理で出馬し、次点となった。修士号は経済分野で獲得したが、同分野での力量は未知数だ。
 11月25日のブラジル銀行協会連盟(Febraban)の昼食会では「2023年は税制改革に着手したい」などと語ったが、内容が漠然としていたことなどでサンパウロ平均株価指数(Ibovespa)が2%下がるなど、消極的な反応があったばかりだ。
 外相には、現クロアチア大使のマウロ・ヴィエイラ氏が有力だという。同氏は第2期ジウマ政権(2015〜16年)でも外相を務めており、ルーラ政権で8年外相を務めたセウソ・アモリン氏とも関係が深い。
 法相には前マラニョン州知事(2015〜22年)のジノ氏の名前があがっている。同氏は10月の選挙で上議に当選しているが、ルーラ氏が大統領選で当選直後に最高裁判事らと会った際も同伴して注目を浴びていた。
 また、国防相にはかねてから噂のあるジョゼ・ムシオ・モンテイロ元国立会計検査院(TCU)判事が就く予定だという。この人事に関しては、同氏がボルソナロ氏と近い関係にあることから難色を示す声もある。
 また、PTのネット論客として知られるリオ・グランデ・ド・スル州選出のパウロ・ピメンタ下議が通信相または大統領府入りする可能性がある。さらに、かつてのルーラ政権で環境相を務め、国際的にも知られる環境活動家のマリーナ・シウヴァ氏(レデ)が環境相もしくは気候変動対策の長に任命される可能性があるという。
 ルーラ氏によると、ここまでの5人に関してはほぼ確実のようだが、「12日のディプロマ(認証)授与式までは正式に発言するのを避けたい」という。
 この他に、PTからは元・現バイア州知事のジャッケス・ヴァギネル氏とルイ・コスタ氏、政権移行業務を仕切るアロイージオ・メルカダンテ氏、元保健相のアレッシャンドレ・パジーリャ氏、ルーラ氏の選挙参謀の一人だったランドルフ・ロドリゲス氏(レデ)、前サンパウロ州知事でルーラ氏のサンパウロ州での上院候補だったマルシオ・フランサ氏(PSB)、大統領3位で決選投票ではルーラ氏を支援したシモーネ・テベテ氏(民主運動・MDB)などの入閣も有力視されているが、詳細は不明だ。ジウマ政権で官房長官を務めたPT党首のグレイシ・ホフマン氏はPTの運営に専念し、閣僚入りはないという。

 

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