ブラジル進出狙う新興企業が交流会=3カ国20社が情報交換

 ブラジル輸出投資振興局(Apex-Brasil)などが主催する各国スタートアップ(新興企業)のブラジル進出促進プロジェクト「Scale Up in Brazil 2022」のビジネス交流会が10月17、24日に行われた。同プロジェクトには、日本、シンガポール、イスラエルのスタートアップ20社が参加。交流会にはプロジェクト参加企業の代表者やブラジルビジネス関係者らが参加し、事業紹介や市場情報交換を行った。
 17日の交流会はサンパウロ市のスタートアップ支援施設「Cubo Itaú」にて開催され、約60人が参加した。今年からプロジェクト運営に加わった独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)サンパウロ事務所の原宏所長は「ブラジルは日本と比べ、資源が豊富にあり、未開拓の分野も多く存在します。皆さんこのプロジェクトを存分に自身の事業展開に活用してください」と挨拶した。
 24日の交流会は、サンパウロ市の日本文化広報施設「ジャパンハウスサンパウロ」にて行われ、約100人が参加した。アグリテック(農業技術)分野のスタートアップ企業「Sagri」社を代表して出席した永田賢さんは「ブラジルは伝統的な農業が根強く残っている国。未開拓な分野も多く、このプロジェクトを活用し、ブラジル進出を成功させたい」と語った。同社は先端衛星技術で、広範な農地の耕作状況を判別するノウハウを持つ。
 メドテック(医療技術)分野のスタートアップ企業「Melody International」社からはコーポレートプランニング部の長谷川乃扶子(のぶこ)さんが参加した。同社はモバイル分娩監視装置(iCTG)を開発。iCTGでは、胎児の様子を時間や場所の制約なく計測し、計測データをすばやく医者へ送ることが出来る。長谷川さんによれば、同社のある香川県は、新生児死亡率が日本一高かったが、各病院がiCTGを導入したことで、死亡率が激減。新生児死亡率が日本一低い都道府県となったという。
 長谷川さんは「ブラジルは新生児死亡率が未だ高く、私達の事業が役立つ余地が多くある。プロジェクトを通じて様々な人と交流を行い、分からないことは積極的に聞いて、事業展開に活かしたい」と語った。

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