《ブラジル》連邦貯蓄銀行の理事死亡=前頭取と近い関係で自殺?

連邦貯蓄銀行(Bento Viana/Divulgação)

 19日夜、ブラジリアの連邦貯蓄銀行(CAIXA)で、内部統制と完全性統括本部(DECOI)担当理事のセルジオ・リカルド・ファウスチノ・バチスタ氏が遺体で発見されたと20日付現地サイトが報じた。
 バチスタ氏は1989年に同行に入ったベテランで、2022年3月にDECOI担当理事に就任した。同氏は現職に就任する直前まで、セクハラ疑惑で辞任した前頭取のペドロ・ギマランエス氏の戦略的な側近の一人と目され、前頭取のコンサルタント的な役割を果たしていた。
 DECOI担当理事就任は同行内の選考過程を経て行われた。DECOIは同行職員による内部告発を受け付け、処置する部署で、職員が行った告発はどのようなテーマであっても全て、同部署担当理事のもとを通る事になっている。
 ギマランエス前頭取に対する告発は、5月に入ってからバチスタ氏のもとに届き始めたとされ、同氏の携帯電話は、前頭取に関する捜査のため、市警に押収されているという。
 ギマランエス氏に対する内部告発はセクハラやパワハラ、職権乱用など多岐にわたり、6月に辞表を提出。現在は連邦検察庁が捜査を担当しているが、市警は、前頭取がバチスタ氏と内密に連絡をとり、疑惑が表面化しないように図った可能性などを疑っていた。
 ギマランエス氏の辞任後、前頭取の犯罪行為に関与した、あるいは知っていながら黙っていた幹部の割り出しも行われ、副頭取の一人が辞任しているが、バチスタ氏は現職に留まり続けていた。
 バチスタ氏の遺体は同行本部の建物の外で発見されており、警察は自殺の可能性ありと見ているが、警察による捜査はこれからだ。

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