日伯文化連盟=分校開校、訪日観光客向け講座=若手主体の新執行部が新方針続々

新執行部の皆さん、左から二人目が吉田前会長、中央が竹田会長、右端が藤永理事
新執行部の皆さん、左から二人目が吉田前会長、中央が竹田会長、右端が藤永理事

 4月末に就任した日伯文化連盟(アリアンサ)の竹田クラウジオ勇会長ら新執行部が、編集部を6月26日に訪れて今年の方針を語った。同連盟は来年創立70周年、翌2027年にはピニェイロス本部設立10周年、次の2028年は日本移民120周年という節目がたて続きに来るという任期だ。
 竹田会長(69歳、2世)は「吉田さんの時代に色々なイベントを実施して若い人を集め、その人がどんどん活動に加わってくれ、今の執行部の平均年齢は40歳と若返った。彼らの意見を取り入れて行きたい」との方針を語った。
 前会長の吉田エドアルドさん(78歳、2世)は本来4年間までのところ、パンデミックの厳しい時期を挟んで6年間を務め上げて退任した。パンデミック前、同連盟は日本語学校が3校あった。うち、20年8月に文協内6階のサンジョアキン校を閉鎖。その翌月には2フロア借りていたヴェルゲイロ校の1フロアを閉鎖。21年5月30日にヴェルゲイロ校のもう1フロアも閉鎖し、ピニェイロス文化センター1校のみになった。
 同校はコロナ禍で20年3月から急きょ授業を全てオンライン化したが、生徒の学習環境の問題などで1500人程いた生徒が激減した。現在の生徒数は500人まで回復、90%がオンライン履修だという。
 復活の狼煙として4月にリベルダーデ区で分校開校式を開催した。場所はサンパウロ商業協会セントロ地区の会館内(Rua da Glória, 346)で5教室あり、当面は日本語教室を中心に生け花、書道、折り紙などの日本文化講座に拡大していく予定。すでに日本語講座は4教室開催されており、竹田会長は「今年中に600〜700人に増やしたい」と期待している。
 すでに新執行部は、訪日観光客向けの日本語・日本生活習慣講座「SOS Japãoプロジェクト」を開始した。訪日観光旅行で使う日本語だけでなく、日本の習慣やマナー、電車などに乗るのに必要なスイカやパスモを使い方、乗車距離によって値段が変わる日本の鉄道の値段など、レストランや電車では大声で話さないなどを予め説明しておき、訪日後のカルチャーショックを減らし、より旅行を楽しんでもらう趣旨だ。これは昨年訪日した若手理事が発案した。「訪日前に知っておくとより楽しめる内容を講座で教える」というもの。
 さらに、18校の大学を擁して学生数で伯国内第4位を誇る私立高等教育機関「アニマ・エデュカソン」と提携をし、同機関の学生には授業料の割引を実施している。これにより、日本文化好きな学生が増えつつあるという。竹田会長は「アリアンサの授業料は高くないというイメージが広がりつつある」と好感触を感じている。
 藤永カルロス文化担当理事によれば「生徒が習ったことを発表する文化祭をやろうという話も出てきています」とますます勢いがついているようだ。

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