池坊ブラジル支部初生け=「飛躍」願う35杯を展示=美と和追求、普及への決意新たに

来賓たちと写る河村支部長(右から3人目)

 池坊ブラジル支部(河村徳子支部長)主催の新年初生けの開会式が、13日午後7時からサンパウロ市リベルダーデ区のニッケイパレスホテル1階展示場で行われ、来賓、招待客、一般客など約100人が一堂に会した。
 コロナ禍の影響で3年ぶりの開催となった初生けでは、河村支部長をはじめとする生徒の作品35杯を展示。今年の卯(うさぎ)年にちなんだ「飛躍」をテーマに、日本文化である生け花の「美」と「和」が表現されていた。
 開会式では、最初に河村支部長があいさつ。「コロナ禍でここ3年は思うような活動ができませんでしたが、今日(13日)は朝9時からの生け込みで、(生徒の)皆様の生け花に対する意気込みを見て感動いたしました。私共の以前からのテーマである『美』と『和』をさらに追求し、ブラジル社会により一層、生け花を普及させていきたい」と思いを語った。
 来賓の小堤明日香在サンパウロ日本国総領事館領事、頃末アンドレ文協(ブラジル日本文化福祉協会)副会長、藤永英明カルロス日伯文化連盟コミュニケーション担当理事、外塚(そとつか)クリスチーナ・ブラジルいけ花協会会長がそれぞれ祝辞を述べた。
 引き続き、桂川富雄文協評議員会副会長が乾杯の音頭を取り、来場者は和やかな雰囲気の中で生け花の展示に見入っていた。
 河村支部長によると、今年は支部創設55周年の記念行事も検討されており、3月にはミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテ市での日本祭りにも出展する予定だという。今回の初生けの出展作品では、河村支部長が「生け花も進化していくことが大事」と話すとおり、菊など日本古来の花材とともに、胡蝶蘭、アンツーリオ(アンスリウム)、バナナの小さな実など色彩豊かなブラジルの花材も積極的に取り入れられていた。
 今回の初生けに作品を出展した藤永パウロさん(81歳、2世)は、来賓祝辞を述べた藤永カルロス氏の父親にあたる。「週3回、アリアンサ(日伯文化連盟)で生け花を教えてもらっており、息子と一緒に楽しんでいます」と充実した表情を見せていた。
 主催者発表では会期中の3日間で約400人が来場した。

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