小寺会頭「日本、ブラジルの融合を推進」=商議所新年会に130人

新年会の会場の様子(写真:Rubens Ito/CCIJB)

 ブラジル日本商工会議所(小寺勇輝会頭)は20日、サンパウロ市のブルーツリーモルンビホテルで、2020年以来となる新年会を開催した。商議所では1月から理事会役員が交代し、新体制での活動を開始。新年会には総勢130人が参加し、商議所の新たな門出を祝った。特別ゲストとして昨年の選挙でパラナ州から4期目の当選を果たした西森ルイス連邦下院議員を招き、今後のブラジルの政治動向や日伯の課題についての講演を行った。

 新年会では、昨年まで会頭を務めた村田俊典事務局長が司会を務め、特別ゲストの西森議員や桑名良輔在サンパウロ総領事、南東部軍本部参謀長のエジソン・マサユキ・ヒロシ少将、石川レナトブラジル日本文化福祉協会会長、サンパウロ日伯援護協会の洲崎順副会長、日伯文化連盟(アリアンサ)のエドアルド吉田会長を紹介した。
 小寺会頭は冒頭の挨拶で、8日にボウソナロ前大統領支持者が起こした三権中枢施設襲撃事件でブラジル社会に激震が走ったことや不安定な社会情勢、治安悪化に伴う経済活動の鈍化、外国からの投資減速などで企業活動に懸念が持たれる中、「商議所は会員のニーズに応えるべく、努力していく」と所信表明を行った。
 小寺会頭は、今年はブラジル日本移民115周年であり、現在日程調整中の「日伯戦略的経済パートナーシップ賢人会議」の実施や7月にミナス・ジェライス州で開催される「経団連とCNIによる日伯経済合同委員会」など、日伯交流の活発化、二国間の外交・経済交流の促進が期待されているとし、商議所は「会員間の融合」「ブラジル現地との融合」「日伯の融合の一助」の3つの「融合」に取り組むと語った。
 桑名総領事は、小渕優子特派大使が昨年末にサンパウロ、クリチーバの日系団体と懇談し、年始にはルーラ大統領就任式に出席。8、9日には林芳正外務大臣がブラジリアを訪れてヴィエイラ外務大臣と会談、両国関係に前向きな意見交換を行ったことを報告した。
 桑名総領事は、日伯議員連盟副会長の小渕氏が、父親の故・小渕恵三元総理が議員当選前に最後の海外旅行で訪れたのがブラジルであり、小渕氏もブラジルに深い思い入れを持っていることや、小渕氏が18年前にブラジルを訪問した直後に結婚したことなど、小渕家では「ブラジル訪問は幸運をもたらす」といわれているとのエピソードを紹介し、「小渕氏には今後も日伯関係に尽力していただきたい」と期待を寄せた。

 西森議員は、林外務大臣が訪れた際に協議した日伯間の課題「自由貿易協定」「訪日ブラジル人の観光ビザ免除」「4世ビザ制度の条件緩和」「技能研修の促進」「ブラジル産牛肉とパラナ産豚肉の日本への輸出」に関して、両国が積極的に歩み寄る必要性があると語った。
 西森議員は、ブラジルは左派政権となったが、国会は引き続き右派が多数を占めており、中長期的には中道に向かうとの見通しを語った。
 鏡開きの後、西森議員が乾杯の音頭を取り、食事会へと移った。
 2023年度の新副会頭と新理事の所信表明、JCI(青年会議所)新会頭が挨拶を行った。
 新副会頭と新理事は以下の通り(敬称略)。【副会頭】田辺靖【新理事】古賀貴、根本篤、平田藤義、江口雅之、滝本知巳【JCI会頭】照屋ウーゴ

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