
日毎叢書企画出版(前園博子代表)の『楽書俱楽部』第78号が6月20日に刊行された。今回も37人の投稿者による盛り沢山の内容が140頁も掲載されている。
後書きによれば《前号で協力金のことをお願いしましたところ、ブラジル日報の紹介記事のお陰もあって松島節子さん始め大勢の方々から過分なるご協力金を賜り、衷心よりお礼申し上げます。皆さま方からの温かいお心を頂きスタッフ一同感謝に堪えません。本の発行に努力していくつもりです》とのこと。第79号の原稿締め切りは7月10日なので、早めの投稿を呼びかけている。
伊藤喜代子さんの「ある日、突然に」(105頁)は衝撃的な内容が書かれている。MEI(零細事業者登録)を取り消すためにサンパウロ市セントロの事務所に行った際、車を停車し、ふと助手席を見たら見知らぬ若い男が、いつの間にか乗り込んで座っていたという恐怖体験だ。頭の中で「アサウト(強盗)か、私はセクエストロ(誘拐)されるのか」と思い至り、自分に「落ち着け」と言い聞かせ、次のように落ち着いて言った。
「私は仕事がなくなって店を閉めたのでMEIを閉めた。もしあなたがお金が必要なら、悪いけど、私も本当に困っているところなの」というと、彼はただ黙っていたので、さらに「ごめんね、もう行かなきゃ。あなたに神のご加護を」というと黙って出て行ったという実に不思議な体験だ。詳しくは同コラムを。
垣花八洋夫さんの「マグネット」(113頁)によれば、最近ダイソウで「強力マグネット25個入り」購入したので、次のような実験をして大発見があったとか。日本の円やドルのコインは磁石にくっつかないが、「ブラジルで使用されているコインが全てマグネットにくっつくのだ!」とのこと。
毛利律子さんの「自分の老後生活を幸せに」にも驚くべき状態の日本の女友達が登場する。その女友達が動転して大声を上げた時、《嫁はいきなり彼女の眉間に人差し指を向けて、「精神病院に行きなさい!」と言い放った」という。毛利さんは《親子関係には節度を持って程よい距離を保つ》《心を許せる人との繋がりを大切にする》《自分が溌剌とできる場所で花を咲かせましょう》と提言。いつもながら考えさせられるコラムだ。
関心のある人は同企画出版(電話11・99471・3577、Eメールnitimaisousyo@gmail.com)まで連絡を。