佳子内親王殿下が先週13日にブラジルの古都リオ・デ・ジャネイロを訪問された。ご視察1週間前から現地は天候が悪く、前日は数回土砂降りがあるほどで天候が心配されたが当日は、奇跡的に雲のない晴天となった。
一般公開前の早朝、コルコバードの丘へ。夜明け時間の優しい光に包まれる中、リオデジャネイロ大司教区のセルジオ・コスタ・コウト神父の案内の元、リオのシンボルであるキリスト像と、像内の礼拝堂を訪問。金色に輝くグアナバラ湾、ポン・デ・アスーカルなど世界遺産となっているブラジルが誇るリオのビーチが一望できる景色をご覧になった。
佳子さまは「広大な海を朝日が照らす様子を見ながら、今日までお会いした方々のお顔を思い出しました。ブラジルでお会いした方々とブラジルでの出来事はこれからずっと心に残り続けると思っています」とお話された。

次に視察されたのは、リオ植物園の奥にある日本庭園。1935年に開園し、1995年に日本とブラジル国交100周年を祝い、現在の形に整えられた。東屋や太鼓橋、枯山水が美しい庭園で、日伯外交樹立130年を祝い、佳子さまがブラジルの国花「イぺー」を植樹された後、庭園を散策された。
ご案内したリオ州日伯文化体育連盟の栗原謙一郎理事長は「庭園が美しく管理されていることをお褒めいただいた」と顔をほころばせた。「祖父母と父の時代が移民して苦労した。(130周年の)ご訪問の案内ができ、日本に行きたがっていた母が特に(天国で)喜んでくれていると思います」と語った。

元外務省の建物であるイタマラチ宮殿では、日伯修好通商条約批准書などの貴重な原本をご覧になった。
その後コパカバーナホテルでの日系人及び日本にゆかりのある人々とのご引見では、佳子さまより、代表者だけではなく集まっている全員とお話をされたいとのご希望があった。参加したリオの州立大学や連邦大学に通う学生ら参加者全員と研究のテーマや日本との関わりについてご歓談をされた。参加者の女性の一人は、10代の頃に祖母と上皇后美智子様にお会いした体験を思い出し、その感動を佳子さまに話していた。
最後にリオ日系協会の講堂で行われた歓迎の会に参加された。会場にはリオ商工会議所の関係者やリオ州各地の日系団体から代表者などが集まり、中には3時間弱の時間をかけて来た人もいた。
佳子さまはお言葉で、「この度のブラジルへの訪問を通して、先人が歩んだ険しい道のりに想いを馳せると共に、日系の皆様の歴史を改めて心に刻んでおります。(中略)先ほどリオ・デ・ジャネイロ植物園にある日本庭園にてイペーの苗木を植樹いたしました。日本の我が家でもブラジルのイペーが育てられ毎年花を咲かせます。日本とブラジルの友好関係も様々な分野で花を咲かせており、新しい蕾も膨らみつつあるように思います。皆様のご努力が実り、さらにたくさんの蕾が美しく花開くことを願っております」と話された。
歓迎会では、リオ日本人学校の生徒と日系の子供たちによるサンバダンスの披露も。佳子さまは可愛らしい子供たちのダンスを嬉しそうに見られた。最後には来場者約90人の一人一人と話をされ、「出会いと会話を大切にされるとても優しいお人柄を感じた」と参加者は口々に話した。