全日程終え、無事ご帰朝の途に=佳子さまがイグアスの滝視察=最後の地まで公務に励まれる

 秋篠宮佳子内親王殿下(以下、佳子さま)は14日(土)、約2週間にわたるブラジルご訪問の最終訪問地であるブラジル南西部、パラグアイやアルゼンチンとの国境の町パラナ州フォス・ド・イグアス(以後フォス)にご到着された。

 ご到着初日の土曜日は生憎の雨天で、朝から断続的に大雨となる悪天候だったが、地元の日本人会メンバーとのご引見が行われた。会場となった市内ホテルのホールは、遠路御運びいただいた佳子さまへの感謝、そして一人ひとりへの丁寧なご対応に参加者の全員から感激の熱気に包まれていた。
 また屋外の大雨も吹き飛ぶような元気な地元の若者による「前進太鼓」の熱演で、佳子さまは大きな拍手で感動を表され、和やかな懇親のひとときを持たれ、参加者は皆幸せな気持ちで過ごした。
 フォスの日本人会最高齢、来月で99歳の誕生日を迎える中村締さんは、「自分達が子供の頃は天皇家の方々は神様という扱いで、我々は遠めに拝見することも許されなかった。開かれた皇室を目指された戦後歴代の天皇陛下とご家族の御蔭で、今日じかに自分の手を握って頂けたことは生涯忘れられない大切な思い出になりました」と興奮気味に語っていた。
 中村さんは満州からの引揚者で、家族で戦後アマゾンに移住してゴム栽培に従事したが上手くいかず、南伯に転住。ブラジル政府から土地を2アルケール(4・8Ha)もらって、野菜作りで成功したという苦労人だ。
 また、地元日本人会初代会長の根本一美さん(80歳)もご引見で、佳子さまと握手をした。根元さんは12歳だった1958年に家族で移住。その後、ブラジル三井物産で25年勤務して薄荷メントールの担当したという。イグアスに来て45年という長老だ。

 天気が心配された世界最大の瀑布、イグアスの滝ご訪問の日曜日は、前夜まで激しく降っていた雨も止み、気温の低下も懸念されていたほどでなく、滝見学には程よい空模様となった。
 朝9時丁度に滝に到着された佳子さまは、イグアス国立公園のジョゼ・ウリセス・ドス・サントス公園長の説明に熱心に耳を傾けながら、前夜までの豪雨を集めた大量の水が作り出す爆音に驚かれたご様子。ブラジルの台地が作り出した天然の創作物の壮観な景色を熱心にご覧になっていた。
 最後は国立公園内唯一のホテル・ベルモンド・ダス・カタラタスに立ち寄られ、1958年創業のクラシックな佇まいをご覧になり、リラックスした御様子でお帰りになられた。午後、サンパウロ国際空港経由でご帰朝された。
 6月4日に成田をご出発になり、5日に約1万9千キロ離れたサンパウロ市に到着された。それから15日までの10日間で8都市を訪問される強行スケジュールをこなされた。休む間もなく、再び地球を半周する旅に立たれ、日本時間17日午後に成田に到着される予定。

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