
ペトロブラス社(PB)とシコ・メンデス生物多様性保全研究所(ICMBio)は9日、リオ市コルコバードにあるキリスト像のアクセシビリティ向上のため、約1500万レアル(約3億9千万円)の資金提供で合意したと同日付G1など(1)(2)(3)が報じた。
これは、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)が定めた、カンポス盆地に設置されたペトロブラス社の半潜水型石油・ガス生産プラットフォーム「P-56」の設置に関連した環境補償の一環であり、障害者向けのアクセス環境の改善や観光客の快適性と安全性を目的としている。
プロジェクトでは既存のエスカレーター4基を新型のものに全面的に刷新し、さらに傾斜面をゆっくりと移動する自動スロープも設置される予定だ。
ICMBioによると、補償措置の実施計画は両機関が共同で作成しており、これによりコルコバードの訪問環境が大幅に改善される見込みだ。プロジェクトの実施にあたっては、PBがエスカレーターの購入や工事の発注を担当し、ICMBioがこれらの作業の指導・監督およびプロジェクト全体の管理と検査を行う。
文化財保護を担う国立歴史美術遺産院(Iphan)も既に改修計画を評価し、許可を出していることから、保存区域であるコルコバード高地における安全かつ適切な工事の実施が保証されている。
ICMBioのマウロ・ピレス所長は、「我々はコルコバードにおける訪問環境の質と安全性向上を目指し、アクセシビリティ拡大と共に、この公共区域を利用する全ての者に対する保護を強化している。この地域はチジュカ国立公園内にあり、大西洋森林の自然保全にとって重要な資産だ。訪問者の利便性向上を図るインフラ整備は、国民が共有する公共空間の価値を高めることにつながる」と述べている。
一方、PBの安全・環境・健康担当執行マネージャー、フラウベルチ・マトス・マシャード氏は、「このプロジェクトは単なる法的な環境補償義務を超えたものであり、多様性、公平性および包括性に対する当社の優先的なコミットメントを示すものだ。人権政策や企業価値観、特に人への配慮と持続可能性に関する方針に完全に合致している」と語った。
環境省とICMBioは昨年12月に、コルコバードおよびチジュカ国立公園の他区域に対する総額7500万レアル規模の改善計画を発表している。再活性化事業は段階的に進められて、第一段階はすでに開始されている。この段階では2220万レアルが投入される見込みだ。観光客が最も多い2025年12月〜26年2月の夏季期間は工事を一時中断し、27年夏までにコルコバード高地上部の整備完了を目指している。