
季節の変わり目に、私は体調を崩した。学校に行くと、頭痛がし、体が熱くなり、関節も痛い。ああ、これは体調を崩したな、と思いつつも活動を続けていた。
そんな私を見た他の先生が、「顔色悪いよ。体調大丈夫?熱を測ろう」と言ってくれた。熱は39度を超えていた。すぐに病院に行くことになった。
だが、先生方は授業があるため行くことが出来ない。ここはブラジル、体調が悪くなってもどうにかなる、と考えていたが、いざ病気になると、きつくて何も考えられない。
どうしようと思っていると、先生方は生徒の保護者の方へ連絡してくれた。すると、その保護者の方はすぐ学校へ来てくれて、私を病院に連れて行ってくれることになった。すごく安心した。
病院では、医師に私の症状を伝えてくれたり、待ち時間には日本語と私の拙いポルトガル語でコミュニケーションもとったりと寄り添ってくれた。
点滴を打ったら、熱は下がり、症状は回復した。授業が終わった先生方も来てくれ、スーパーへも連れて行ってくれた。体調を崩した時「ブラジルでは、これを食べるよ」「これを飲むよ」と教えてくれた。
たくさんの方々が私を助けてくれた。病気の時だけではなく、生活や活動のことも今までたくさんサポートしてもらっている。ブラジルに来て約9カ月、私がこれまで、そしてこれからも活動ができるのは、みなさんのおかげだ。
そんな私が活動しているのは、サンパウロから南西に約150キロ離れた小さな町、ピラール・ド・スール。人口は約3万人。自然豊かで静かな町である。
町の産業は、農業であり、フルーツがたくさん採れることで有名だ。柿・桃・ライチ・デコポン・アテモヤ・すもも・びわなど種類が豊富だ。そして、一番有名なフルーツは「ピラールマスカット」と呼ばれる、マスカットである。これが甘くて、甘くて、絶品なのだ。身も大きくジューシーで、一度食べると手が止まらない。ぜひ一度は食べてもらいたいフルーツだ。

ピラール・ド・スール日本語学校は、生徒約70人が在籍し、午前と午後に分かれて授業を行っている。私は体育隊員として、主に体育の授業と、放課後の陸上競技部の活動をサポートしている。
日本語学校の1番の特徴は、先生と保護者の方々がとても熱心なことである。先生は授業や生徒の話をいつも楽しそうにしている。保護者の方々は、行事になると、朝早くから夜遅くまでお手伝いをしている。たくさんの方々の支えがあって、素晴らしいピラール・ド・スール日本語学校があるのだと思う。
私の生まれ育った、佐賀の田舎町にどこか似ている、ピラール・ド・スール。自然豊かで小さな町。そして、たくさんの温かい人々に支えられながら活動できていることは、幸せなことだと感じている。この町、人々が好きだ。