
秋篠宮佳子内親王殿下(以下、佳子さま)は11日午前、首都ブラジリアの連邦議会における日伯外交関係樹立130周年記念・日本人ブラジル移住の日記念式典にご臨席された。ウゴ・モッタ下院議長や伯日友好議員連盟の西森ルイス会長ら同議連関係者、ブラジル外務省の日本・朝鮮半島・太平洋局のスーザン・クリベック局長、全伯の日系人代表ら約400人が出席。ブラジルメディアも同記念式典などをこぞって報じた。
午前11時20分、モッタ下院議長夫妻らが議会入り口に出迎える中、着物姿の佳子さまがご到着、儀仗兵の隊列が両側から槍で花道を作るのをくぐるようにご入場され、貴賓室で下院議長をご引見された後、下院本会議場での式典に臨まれた。左からクリベック局長、佳子さま、中央に下院議長、西森議連会長、林禎二日本国大使が着席した。
議員席の最前列には上院伯日議連のエスペリジオン・アミン会長の代理で、テレザ・クリスチナ元農務大臣が出席。斉藤準一空軍予備役大将らも顔を出した。

両国歌斉唱の後、モッタ下院議長は、挨拶で「今日は二つの大事な節目をお祝いするのに、日本から佳子さまを我らが下院にお迎えでき、大変嬉しく思う」と述べ、同修好条約締結と移民117周年を強調。
「その条約のおかげで日本人移住が始まり、完全な統合を果たし、今では270万人という世界最大のコミュニティが形成され、各界に貢献している」とし、田村幸重氏が最初の日系連邦議員になった歴史を振り返り、「そこから現在の西森議員らに繋がった」と振り返った。「日本移民はそれまで馴染みのなかった異文化をブラジルに持ち込み、共存の仕方を教えてくれた」と佳子さまの方を向いて説明した。
西森議連会長は「130年前に修好条約が結ばれたから、270万人の日系人という果実が生まれ、完全にブラジルに統合され、文化、食、経済、健康などさまざまな分野でブラジルへの貢献を果たしている。特に2024年の日伯貿易額は1100万ドル、ブラジル側貿易黒字は146万ドルを記録している。その130周年をお祝いするために佳子さまに来ていただいたことに心から感謝したい」と挨拶した。

佳子さまは「日伯の130年を振り返りながら、私たちの間の友好関係が日本からブラジルに渡った方々とその子孫を含む、両国の多くの方々によって培われてきたことに想いを寄せています」と今回の訪問で多くの日系人と話をしたとし、「日本から来られた方々とその子孫の皆さんが日々努力を重ねられ、ブラジルの社会に貢献してこられたことを改めて胸に刻みました。長年に渡り、日本からの移住者を暖かく受け入れてくださったブラジルの方々に厚く御礼申し上げます」と一言一言噛み締めるようにお礼を述べられた。

佳子さまはその後、イタマラチー(外務省)でマウロ・ヴィエイラ外務大臣のお出迎えを受け、ブラジル政府主催日伯外交関係樹立130周年記念午餐会にご臨席された。急きょ前日から繰り上げられたルーラ大統領表敬訪問の後、夕方は日本国大使公邸で6州から集まった200人もの日系人と懇談された。