
国際サッカー連盟(FIFA)は、2027年女子W杯を南米で初めてブラジルで開催すると正式発表した。大会は6月24日から7月25日まで行われ、リオデジャネイロ、サンパウロ、ベロオリゾンテ、ブラジリア、フォルタレーザ、ポルトアレグレ、レシーフェ、サルバドールの計8都市で試合が開催される。
7日付アジェンシア・ブラジル通信によると、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、「全ての立候補地の提案は素晴らしく、選定は非常に困難だった」と述べ、ブラジル開催を「南米全体を巻き込む記憶に残る旅の始まり」と表現した。マラカナン・スタジアムでは開幕戦と決勝戦が予定されており、ミネイロンやマネ・ガリンシャなどでは8試合が行われる予定だ。
7日付グローボサイト記事(2)によると、今回発表された開催都市には、2014年男子ワールドカップでも使用された主要スタジアムが名を連ねている。ネオ・キミカ・アレーナ(サンパウロ)、アレーナ・フォンチ・ノヴァ(サルヴァドール)なども再脚光を浴び、既存インフラを活用した効率的かつ環境負荷の少ない大会運営が期待されている。
インファンティーノ会長は「持続可能性を重視しつつ、観客、選手、地域社会にとって記憶に残る大会にしたい」とも語り、2023年大会(豪州・NZ共催)での190万人超の観客動員を超える可能性にも言及した。
スポーツ大臣アンドレ・フフカ氏は「この大会は次世代へとつながる変革の遺産となる」と語り、女子サッカーの発展と地域経済の活性化に寄与する大会を目指すと述べた。スポーツ省は「女子サッカー国家戦略」を推進中であり、他省庁と連携した省庁間作業部会も設けられている。
大会には32カ国が出場予定で、開催国ブラジルのほか、アジア6、アフリカ4、北中米4、南米4(うち1はブラジル)、オセアニア1、欧州11、プレーオフで残り3枠が決定される。
ブラジル女子代表はこれまで全大会に出場し、最高成績は2007年の準優勝。悲願の初優勝を目指す。個人記録では、ブラジルのマルタ選手が大会通算17得点で歴代最多記録を保持しており、「女子ワールドカップの女王」と称される。マラカナン・スタジアムでの決勝戦開催は1950年と2014年の男子大会に続き3度目で、歴史的舞台での新たな物語が期待される。
大会期間中は各都市で記念イベントや観光キャンペーンも予定されており、文化・経済交流の活性化も見込まれている。スポーツを通じて女性の地位向上とジェンダー平等を目指す象徴的なイベントとして、世界の注目が集まる大会となりそうだ。(1)