リオ・グランデ・ド・スル州大洪水=「一緒に支援活動を」=被災地の日本人学生

友人宅へボートで向かう舩江さん(右)(写真撮影 Sandro Pasinato)

 リオ・グランデ・ド・スル州を襲った洪水による大災害は、現地の大学生活にも大きな影響を及ぼしている。浸水被害に遭った大学施設は休校し、無事なところは避難所として活用されている。学生の多くは避難生活を送っている。ポルト・アレグレ市内の大学に通う日本人学生に電話取材した。
 「実家に避難した学生の友人は多い。自分も不安だが、逃げる場所もないので耐えるしかない」
 リオ・グランデ・ド・スル州連邦大学(UFRGS)の大学院に通う舩江かおりさん(兵庫県出身、55歳)は複雑な表情を見せる。昨年5月に来伯し、英日翻訳者として働きながら大学生活を送ってきた。
 舩江さんの住む市内のマンションは幸いにも浸水被害を免れた。一時は断水もしたが、現在は朝昼晩の3度、各1〜2時間ほど水が使える。電気も通じているため、災害の長期化という懸念はあるものの「生活は今のところ大丈夫」と話す。
 大学の友人とは通信アプリ「Whatsapp」を通じて連絡を取りあっている。自宅が浸水したという話や、治安が悪化し、空き巣や強盗被害に遭ったという話をあちこちから聞き、中には「市外に避難した住民の部屋に泥棒が入るから、泥棒に遭遇するのが怖くて自宅から避難したという人もいた」という。
 大学から授業再開の連絡は現状なく、先行きは不透明だ。その間、自分にできることをしようと、浸水に備える友人のため、友人宅の1階の荷物を2階に上げる手伝いをしたり、断水で困っている友人に自宅のシャワーを提供するなど積極的に行動した。
 周囲の学生の多くは被災前から金銭的な余裕がなく、「学生たちは1食1・3レアルの学食を頼りにしていたが、今は食堂が閉鎖している。災害だからと食料を買い貯めておくだけのお金もない。それが心配」と心を痛める。
 ポルト・アレグレ市内のリオ・グランデド・スル・カトリック大学(PUCRS)で留学生活を送る小林真依子さん(上智大学3年、20歳、徳島県出身)は、大学近くの学生寮に暮らしていたが、現在はパラナ州カスカベルの友人宅で避難生活を送っている。
 5月3日に旅行でブラジリアへ発ち、5日に帰る予定だったが、空港閉鎖の報を受けて急遽、サンパウロ経由でカスカベルへと避難することになった。

UFRGSが行う、災害寄付金を呼びかける横断幕

 日本でこのような大きな災害に遭った経験はなく、「実際にまだ現地を見た訳ではないので実感が湧かない自分もいる」。それでも「先週行ったカフェが被害に遭ったといったニュースを聞くと心が痛むし、何もできない自分がもどかしい」と気を揉む。
 授業は20日に再開する予定で、天気の動向を見つつ、それまでに帰る方法を探っている。「友人もたくさんいるので帰りたいが、道路も壊れていると聞いているので帰りの道のりは怖い」と無事に帰れるかも悩みの種だ。
 学生寮の友人たちは避難所のボランティアなどに積極的に参加している。「言語の壁や自分が外国人ということもあり、何ができるかはわからないが、寮の住人たちと一緒に支援活動ができたら」と思いを強くする。

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