平成そろばんアカデミー=総合競技優勝は小西さん=第3回ブラジルそろばんグランプリ

総合競技優勝者らの記念写真。中央左からラファエルさん、アンドリューさん、ジュリアさん。日本とニューヨークから来伯参加した使節団のみなさん

 平成そろばんアカデミー(浜崎みゆき代表)による「2024年第3回ブラジルそろばんグランプリ」が3月31日、サンパウロ市ビラ・マリアナ区の同アカデミー施設で開かれた。169人が参加し、総合競技優勝には同アカデミー所属の小西ラファエルさん(15歳)が輝いた。
 出場者はレベル別にA、B、Cの3グループに分かれ、腕を競った。Aグループはそろばん3級から十段のベテラン、Bグループは9級から4級の中級者、Cグループは15級から10級の初級者。
 競技種目はCグループが制限時間7分の「見取算」(足し算と引き算)30問に挑んだ。グループBとAは掛け算、割り算、見取算の各10問を同じく制限時間7分で行い、総合点を競った。グループAではフラッシュ暗算も行われた。
 総合競技優勝の小西さんは、22、23年の全伯そろばん大会優勝者。準優勝の小島アンドリューさん(17歳)は、米国ニューヨークから来伯参加した元米国チャンピオン。3位には林ジュリア・なみさん(15歳、平成そろばんアカデミー)が入った。

グループB1位のダニーロくん(左)と2位のダニエルくん

 平成そろばんアカデミーは創立43年の歴史を持ち、長年にわたって生徒の成長に貢献してきた。大会では総合優勝の小西さん、総合3位の林さんを始め、和田ダニーロくん(11歳)がグループBで1位、林ダニエルくん(11歳)が同2位と活躍を見せた。
 今回の大会開催について平成そろばんアカデミーの浜崎代表は、「大会が開催できたのは寄付などにご協力くださった生徒父兄のみなさま、そろばん教室USAと今井珠算塾のおかげ。感謝の気持ちでいっぱいです」と語った。

弥谷名人が模範演技=圧倒的技術で会場圧倒

弥谷さん(左)と総合競技1位に輝いたラファエルさん

 平成そろばんアカデミーは日本の埼玉県に本部を持つ「そろばん教室USA」と提携しており、今回の大会には日本の代表的なそろばん大会「そろばんクリスマスカップ」(日本珠算協会主催)優勝者の弥谷拓哉さんを招待選手として招いた。
 大会では弥谷さんによるデモンストレーションが行われた。グループAが7分間かけて解いた30問の問題を1分2秒で解き上げ、10桁5口の読上算や10~12桁3口の読上暗算を披露した。生徒らに対して、読上算では左手で繰り上がりを置いて、右手が左に戻らないようにするテクニックなど、計算をより速くできるようにするアドバイスも行った。3桁15口をわずか2秒で計算するフラッシュ暗算を余裕の表情で答える弥谷さんの姿に、参加者からは憧れの眼差しが向けられた。
 弥谷さんを指導し、日伯交流そろばん使節団団長を務めた高柳一馬さんは今回初めて来伯した。高柳さんは「これだけ盛り上がっている大会は珍しい」と語り、「そろばんを続けるうえで大事なことは楽しむこと。隣の子と友達になって、これからも楽しみながら頑張ってください」と選手らに激励の言葉を送った。
 平成そろばんアカデミーの浜崎代表は、大会開催や同アカデミーの日本留学に協力してくれているそろばん教室USA、訪伯使節団に同行して来伯した日本の兵庫県に拠点を持つ今井珠算塾の今井智子代表に感謝を述べた。

計算を超えた人間力を育む=珠算で得られる11の効果

 日本文化の伝統を継承するそろばんは、単なる計算器具ではなく、脳トレや能力開発に最適なツールとして再び注目されている。特に昨今では現代社会で求められる能力を育む教育ツールとしての評価が高い。平成そろばんアカデミーでは、単なる計算スキルの向上にとどまらず、そろばん学習から得られる効果として以下の11項目を挙げている。

1.正確性:状況判断と正確な実行を可能にする
2.機敏性:瞬時の判断と迅速な行動を可能にする
3.創造力:空間認識能力と想像力を鍛え、問題解決力を高める
4.集中力:精神を集中し、目標達成に導く力
5.忍耐力:困難を乗り越え、目標を達成する力
6.直観力:全体像を把握し、瞬時に判断する力
7.暗算力:迅速な計算力が身に着く
8.積極性:目標達成への意欲とチャレンジ精神が身に着く
9.協調性:互いに助け合い、協力する力が育まれる
10.責任感:リーダーシップと社会性が育まれる
11.記憶力:多くの情報を記憶し、活用する力

平成そろばんアカデミー

住所:Rua Cubatão, 587 – 8º andar, Vila Mariana, São Paulo – SP
電話番号:11-99744-2422
サイト:www.heiseisorobanacademy.com

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