中国=王毅外相がルーラと会談=台湾の独立反対を再確認

中国の王毅外相を迎えるマウロ・ヴィエイラ・ブラジル外相(Foto: Wilson Dias/Agência Brasil)
中国の王毅外相を迎えるマウロ・ヴィエイラ・ブラジル外相(Foto: Wilson Dias/Agência Brasil)

 中国の王毅外相が18日にブラジルに到着し、19日に北東部セアラ州フォルタレザ市でルーラ大統領(労働者党・PT)と会談した。ルーラ大統領は、「一つの中国」という中国の方針を支持し、台湾の独立に反対の立場を取っており、会談ではその立場を中国と再確認した。17日付ポデール360など(1)(2)が報じている。
 王外相はブラジル到着後にブラジル外務省に招かれ、マウロ・ヴィエイラ外相主催の夕食会に参加した。19日には両国外相主導の第4回ブラジル・中国グローバル戦略会議が開かれ、国連安全保障理事会の改革、ガザやウクライナでの武力紛争に起因する地政学的不安、ブラジルのG20議長国としての役割、中国からの投資拡大など、二国間および多国間で関心のある議題についての議論がなされた。
 台湾では13日、民進党の頼清徳氏が総統に選出された。同党は2016年から政権を握っており、台湾を自国の領土の一部と考えている中国に対抗し、台湾の自治を擁護している。同党はまた、米国や日本との関係緊密化の必要性も強調している。
 頼氏の総統当選と外交政策の変化は、同地域の緊張を高めている。中国の習近平国家主席は台湾の反体制派に対する行動を強化する姿勢を見せており、この時期の中国に対するブラジル政府の支援は重要な意味を持つ。
 公式には、今回の会談の目的は、昨年4月にルーラ氏が北京を訪問した際に再開された両国の関係を強化することである。中国外務省によれば、今回の訪問は両国間の「相互信頼の強化」と「各分野における友好的で互恵的な協力関係の深化」を促進するためだという。
 習近平国家主席のブラジル訪問も期待されている。しかし、それが今年11月にリオで開催されるG20の期間中なのか、それともその前に実現するのか、未だに確かな情報はない。
 50米ドルまでのネット通販購入品に対する連邦税免除の維持にも、中国は関心を示している。この金額以下の輸入製品の多くは、Sheinのような中国のウェブサイトで購入されているからだ。フェルナンド・ハダジ財相は昨年末、連邦議会が27年までの延長を決めた17部門での給与支払い時に企業が納める社会保障費の軽減策を覆し、24年4月から課税率を高めていくための暫定令をまとめており、議会からの反対に直面。暫定令が通らなかった場合の代替手段として、この種の輸入(国際的な購買)に対する課税を検討している。政府は、この課税により、今年中に29億レアルを調達することを見込んでいる。
 ブラジル政府は1日、国外で購入した電気自動車とハイブリッド車への課税を開始した。この措置は、昨年12月30日に発表された23年暫定令(MP)1205号(自動車部門に対する190億レアルの税制優遇措置)の必要を満たすためだ。また、国外で製造された太陽光発電パネルにも課税される。これらのパネルの大半は中国から輸入されている。
 ブラジルと中国は1993年に戦略的パートナーシップを締結し、2012年にはグローバル戦略的パートナーシップに格上げされた。両国は今年、国交樹立50周年を迎える。

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