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海上自衛隊=練習艦隊が8年振りリオ寄港=地元日系人ら200人が歓迎

歓迎昼食会での記念撮影の様子(提供:山脇英雄)

 海上自衛隊員ら560人を乗せた練習艦隊(今野泰樹司令官)が13日、リオ・デ・ジャネイロ港に寄港した。在リオ・デ・ジャネイロ日本国領事館は同日、入港歓迎式典を同地ブラジル海軍基地で開催し、地元日系人を始めとする総勢200人で到着を祝した。
 練習艦隊のリオ寄港は「令和5年度海上自衛隊遠洋練習航海」の一環として行われた。練習航海は、海上自衛隊幹部候補生学校を卒業した新入の海上自衛官に、長期の洋上生活を通じて部隊勤務に必要な基礎知識を習得させ、訪問国との友好親善活動を通じて国際感覚を養うことを目的に、1957年から行われている。今年で67回目。リオ寄港は8年ぶりとなる。
 今回は5月25日から10月20日までの149日間で、米国、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、アルゼンチン、ブラジル、コロンビアを巡る。総航程は約5万2400kmに及ぶ。
 練習艦隊は練習艦「かしま」(大谷三穂艦長)と「はたかぜ」(池崎裕之艦長)からなり、船員には第73期一般幹部候補生課程修了者約160人(うち女性約20人)が含まれる。

栗原謙一郎リオ日系協会会長、池崎艦長、今野司令官、大谷艦長、橋場健リオ総領事、ソハク・バストス日伯文化協会(Instituto Cultural Brasil Japão)総裁(左から)

 歓迎式典は午前10時に開会し、挨拶に立ったリオ・デ・ジャネイロ州日伯文化体育連盟のフカサワ・コウジ理事は「伯国でぜひ多くの交流体験をしてください」と歓迎の意を示し、今野司令官、大谷、池崎両艦長に花束を贈呈した。
 今野司令官は「練習航海では、海上での訓練はもちろん重要ですが、寄港国での友好親善活動を通じて、国際感覚を養うことも非常に重要な意味を持っています」と強調し、式典参加者らの歓迎に感謝を述べた。
 式典には、練習艦隊の寄港を記念して慶祝バスツアーを企画したサンパウロ市の旅行会社「グローバル・ツーリズモ」のツアー参加者35人を始め、他地域からの参加者総勢約70人も出席した。
 式典後は両練習艦の艦内見学会が行われ、参加者らは船員らに艦内装備や洋上生活についての質問をするなどして海上自衛隊員らに対する理解を深めた。
 正午からはリオ・デ・ジャネイロ日系協会会館で歓迎昼食会が催され、寿司などの日本食に加え、ブラジル伝統料理のシュラスコや、カイピリーニャなどが振る舞われた。当地の代表的文化であるサンバダンスの披露と、自衛官らへのサンバ体験も実施され、新入自衛官の男性は「これまでも様々な国で歓迎会を催していただきましたが、今回のように参加者の方と一緒に踊ったりするのは初めてで、本当に楽しかったです」と語った。
 自衛官らと交流した地元日系人のカゲヤマ・オスヴァルドさんは「自衛官の皆さんとの交流を通じて、新たな視点を得ることができました。また、自衛官の皆さんが伯国の文化を喜んでくれている様子は、私たちにとって、とても嬉しいものでした」と述べた。

サビアのひとり言

 リオ・デ・ジャネイロ日系協会で行われた歓迎昼食会では、参加者と新入自衛官の懇談に華が咲いた。
 新入自衛官らは今回の練習航海で長期航海の大変さを痛感している最中だという。航海中はネット通信が不安定になることがあり、日本の家族との連絡がとれず心配を募らせたり、「ワッチ」と呼ばれる交代勤務制の都合上、夜間勤務の際にはいつもと違う睡眠習慣に順応しなければいけない。それらに加え、女性自衛官は生理痛の苦労もあるそうだ。
 しかし、そうした苦労がある一方で、「共同生活を通じて自衛官としての自覚と強い仲間意識を持つようになりました」「子供たちが道端で商売に勤しむ姿に、その国の厳しい現実を感じた。現地での実体験を通じて、国際理解の深まりも実感しています」という。
 昼食会では様々なブラジル料理が振舞われたが、中でもカイピリーニャが好評だった。練習艦隊の直前の寄港地がチリとアルゼンチンという世界的に有名なワインの産地だったこともあり、酒好きの参加者らは新入自衛官らから各国の酒情報を聞き出し、良い肴にしているようだった。

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