UOLスクープ=米司法当局と秘密裏に交渉=Lジャット特捜班が独断で=デルタン通話記録から判明

デルタン氏(Lula Marques/Agencia Brasil)
デルタン氏(Lula Marques/Agencia Brasil)

デルタン・ダラグノル元下議が、ラヴァ・ジャット(LJ)作戦のパラナ州連邦検察主任だった2016年に、米司法当局がペトロブラスに科する罰金の一部をブラジルに持ってくる交渉を秘密裏にしたことが疑われる会話が20日付UOLサイト(1)の独占スクープで明らかになった。本来、この種の交渉はCGU(国庫庁)に法律上の権限があるが、関与していなかったことが問題になっている。
 これは、連邦警察のスプーフィング作戦で押収された、ハッキングされたデルタン氏の携帯電話の記録から明らかになったものだ。これは2019年にサイト「インターセプト・ブラジル」による「ヴァザ・ジャット(VJ)報道」と同じ情報ソースによるものだ。
 デルタン氏はVJ報道での様々な疑惑を国家法務審議会(CNJ)で問題とされ、裁判にかけられそうになった。同氏はそのタイミングで検察局を辞任し、下議選に出馬して当選した。だが、この5月に選挙高裁の審理で判事満場一致で当選無効の判断を下され罷免されている。
 今回は2016年1月29日に通信アプリ「テレグラム」を通じてスイス当局の検察官たちに送ったメッセージの内容が報じられている。ここでは、デルタン氏が米国で交渉の結果が書かれている。
そこでデルタン氏は「米国でこの2日間で米国証券取引委員会(SEC)と交渉を行った。話し合った内容は全て秘密だが、私は我々がスイスと近い関係であることを強くアピールしたので、会話内容を特別にあなたたちと共有する許可をもらった」と会話を始めている。
 デルタン氏は続けて「SECと米国法務省(DOJ)はペトロブラスに巨額の罰金を課すことになる。ペトロブラスは米国での捜査にすごく協力的だ。本来なら米国は我々の協力を必要としないが、我々が協力すれば、ブラジル社会への損害がかなり戻ってくることになる。ペトロブラスの罰金はブラジルの回復に必要な金以上になりそうだ。そうなれば我々の捜査のイメージも悪くなる。米国側が言うには、我々が協力するならばペトロブラスへの罰金額は下がり、分け前は50%になるとのことだ」と語っている。
 この2年後、ペトロブラスは米国当局と8億5320万ドルを罰金と支払うことに調印している。誓約書に良いると、そのうちの8割がブラジルに渡ることになっていたが、そのうちの半分はLJ作戦班が民間に設立したファンドに渡ることになっていた。このファンドの存在は物議を醸し、最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事はファンドでの送金を差し止めた。この鐘は結局、法廷アマゾンの支援金に回され、ファンドの疑惑はCNJの捜査対象にもなっている。
 デルタン氏は2015年に17人の米国の捜査官がクリチバに訪れた際に法務省に未申告にしていた。
 UOLはデルタン氏にこの件に関しての説明を求めたが、反応はなかった。

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