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PT、利子問題で中銀追及へ=ルーラの主張を強化=総裁更迭には消極的も

グレイシ・ホフマンPT党首(Marcelo Camargo/Agencia Brasi)
グレイシ・ホフマンPT党首(Marcelo Camargo/Agencia Brasi)

 【既報関連】ルーラ大統領による中央銀行の独立性に対する批判発言を強化したいとの意向を労働者党(PT)が示している。その一方、ルーラ氏の発言を批判し、中央銀行の独立性の必然性を説く勢力も強い。8、9日付現地紙、サイトが報じている。
 今回の問題は、中銀がインフレ対策上、経済基本金利(Selic)を年13・75%で高止まりさせていることに関し、ルーラ氏が「このような高金利では経済成長ができない」と不満を訴えていることにある。
 フェルナンド・ハダジ財相(PT)や中銀側はルーラ氏の攻撃的なトーンを抑えようと試みているが、PT、さらに同党の連邦議員たちはルーラ氏の主張を強化させようと動いている。
 PT党首のグレイシ・ホフマン下議は8日に開催された連立諸党との政策審議会で、「中央銀行総裁に任期があるという事実は、無責任な行動を認めることにはならない」とし、13日にもPTの役員会を行う意向を表明。同氏は「ブラジルの実質金利は世界一高い」「これでは景気後退(リセッション)や失業を招くだけ」との持論を述べ、国家通貨審議会(CMN)の会合を開き、現状に即した通貨政策の採用を促すことも擁護した。
 同党では、リンドベルグ・ファリアス下議がカンポス・ネット中銀総裁を下院の財政・税制委員会に呼び、Selicが13・75%である理由の説明を求めるための手続きを始めた。パウロ・ロシャ元上議もネット上で、「ボルソナロ前大統領派の中銀など、もう耐えられない」と煽る発言を行っている。
 この動きはPTの中だけではなく、民主運動(MDB)やウニオン・ブラジルも8日の会議で、「中銀の独立性確立で期待された経済回復が逆効果になっていないか」との議題で話し合いを行った。ただ、8日に行われたルーラ氏との朝食会では、協力政党の上層部がルーラ氏に中銀への攻撃を和らげるよう進言も行っている。
 一方、カルドーゾ政権で中銀総裁を務めたアルミニオ・フラガ氏は、ルーラ氏の中銀批判は「財政責任を明らかに無視している」と解釈。「あの言動は私には筋違いに見える」と答えている。フラガ氏は現在のルーラ政権について、「国の危機を救うチャンスはあると思うが、同時に経済政策的にかなりのリスクも抱えている」と分析している。
 また、ロドリゴ・パシェコ上院議長(社会民主党・PSD)も8日、中銀の独立性を改めて擁護。高金利の問題に関しては、「対話で決めていくべき」との見解を示している。
 中銀総裁の人事に関しては、2021年に中銀の独立性が承認されて以降、上院が承認権を持っている。それにより、以前のルーラ政権(2003〜10年)のように、連邦政府の意向で中銀総裁を更迭することはできなくなっている。カンポス・ネット氏の任期は2024年12月まである。
 PT側も、上院で与党勢力だけでカンポス・ネット氏の更迭を決めることは、上議の数が不足しているため、現実的でないと見ている。カルロス・ザラッチーニ下議やPT通信局長のジウマール・タット氏は「対話で金利問題を追及したい」との意向を表明している。

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