工夫と協力で活動維持=和歌山県人会の取り組み

 コロナ禍でここ数年、思うような活動ができなかった日系団体は数多い。各県人会も例外ではなく、高齢化による会員や婦人部員の減少により、活動の制限を余儀なくされる会も目立ってきているのが現状だ。
 12月4日に「お好み焼き祭り」を行い、婦人部を中心に300枚弱の関西風お好み焼きを事前注文販売したブラジル和歌山県人会連合会。谷口ジョゼ眞一郎会長によると、会館そのものはそれほど大きくないものの、様々な工夫と会員たちの協力、母県との交流などで活動を維持しているという。
 同連合会ではコロナ禍で活動がまったく出来なかった期間でも、会館の電気代や水道代等の支払いで毎月5千レアル、年間で6万レアルの経費がかかっていた。その間、イベントでの収入がなく、実質的に会費を支払ってくれている会員約120人分の会費(年間120レアル)を差し引いても約4万5千レアルの赤字になっていた。そのため、谷口会長は比較的経済力のある会員を対象に資金協力を呼びかけ、何とか収支のバランスを保つことができたという。
 同連合会では、来年10月に和歌山県で開催される「第2回和歌山県人会世界大会」に向けて、ブラジル国内の会員を50~100人ほど集めて団体参加する考えだ。また、再来年の2024年には県人会創立70周年記念式典を予定しており、来年2月に行われる定期総会での役員改選でも、谷口会長の続投が見込まれている。
 さらに、会員の高齢化が進み、若い世代の県人会への参加が難しくなっている中、母県とのオンラインによる交流事業を実施。「お好み焼き祭り」が開催された4日夜に、和歌山県日高郡美浜町の小学生たちとの日本語での交流会を開いた。こうしたオンライン交流会は和歌山県の協力を得て、昨年から年2回ほど行っており、和歌山とブラジルの文化を知り合うなど相互理解にもつながっている。
 来年、再来年の大型イベントに向けて谷口会長は「母県との関係をしっかりつなぐためにも、様々なことをしていきたい」と意欲を見せていた。

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