新型コロナ=サンパウロ州でもBQ1型株確認=10月に死亡した女性ら2人=死亡例は少ないが要注意

新型コロナ感染症の検査風景(Divulgação/Semsa)
新型コロナ感染症の検査風景(Divulgação/Semsa)

 【既報関連】サンパウロ州保健局が8日、新型コロナのオミクロン株がさらに変異したBQ1型株による感染者2人が確認され、内1人は既に死亡したと発表したと8、9日付現地紙、サイトが報じた。
 サンパウロ州保健局は8日午前中、サンパウロ市でBQ1型株感染者2人(72歳の女性と年齢不詳の男性)を確認したと発表したが、後に、72歳の女性はジアデマ市在住者だったと訂正。この女性は感染性の潰瘍と心臓疾患で寝たきりだった人で、10月10日にサンパウロ病院に入院後、10月17日に亡くなった。男性の方は自宅療養中で、比較的軽症だという。
 国内のBQ1型株の感染者は、10月20日にアマゾニア州のオズワルド・クルス財団(Fiocruz)が、今月4日にはリオ市のFiocruzが確認済みだ。また、リオ・グランデ・ド・スル州保健局も6日、ポルト・アレグレ大都市圏在住でポルト・アレグレ市の病院で治療中の男性が同型株に感染している事が4日に判明したと発表している。
 BQ1型株は欧米などで感染拡大を引き起こしているが、予防接種の進展などで、重症化例や死亡例は少ないようだ。一方、予防接種や他の株への感染で得た免疫をすり抜け易く、感染再拡大の可能性が指摘されている。
 一例はリオ市で、10月30日~5日の感染者2404人は、2週間前の510人の4倍以上だ。また、8日現在の統一医療保健システム(SUS)での入院患者は49人で、1日の23人の倍以上だ。入院患者の大半は予防接種を完了していないという。同市ではここ3週間の検査の陽性率も6%から21%に急上昇中だ。患者の増加傾向は市内全域で起きているという。
 同市保健局は、感染が疑われる患者はマスク着用の上で医療機関を訪れ、診察、検査を受けるよう要請すると共に、接種未完了者や補強接種を受けていない人は接種を受けるようにも勧めている。
 なお、感染株は定かではないが、先週の感染者が前週比で15%増えたペルナンブコ州では、レシフェ市の産院で少なくとも新生児7人と母親1人が新型コロナに感染している事が判明。同産院はリスクの高い妊娠・出産を重点的に扱う病院の一つで超満員のため、理想的な形での感染者隔離が困難だという。

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