市がボルソナロ氏への投票強要=「票の購買」の現場明らかに

問題となったレポートの模様(twitter)
問題となったレポートの模様(twitter)

 南マット・グロッソ州コロネル・サプカイア市で、社会保障給付金「アウシリオ・ブラジル」の受給者に対し、大統領選でボルソナロ氏に投票するよう促す「票の購買」を行われた証拠映像が2日にテレビで報道され、物議を醸した。2、3日付現地紙、サイトが報じている。
 同件の取材はジャーナリストのカコ・バルセロス氏が担当し、グローボ局系列が全国的に報道した。
 コロネル・サプカイア市は人口1万5千人ほどの小さな市で、農村地帯会合参加者への取材は決選投票の直前に行われたという。
 カコ氏は参加した人たちに「ここで何が行われたのか」と尋ねるが、参加者たちは答えようとしなかった。中には露骨に拒絶反応を示し、追い返すような仕草を行う人もいた。
 カコ氏は市役所の関係者にも質問したが、「社会保障関係だ」と答えるだけだった。同氏はルディ・パエゾルド市長も直撃したが、「何をやろうとしていたのか」と訊かれた市長は、口ごもったまま立ち去るだけだった。
 レポートの後半、カコ氏は参加した若い女性に質問。その女性は「政治的なもの」と答えた後、「22番(ボルソナロ氏)に投票するよう命じられた。そうしないと、今後の受け取り分が受けられなくなると言われた」と告白した。会合ではアウシリオ・ブラジルに関する問題も扱われたとし、「誰によるものだ」との質問には「市長だ」と答えた。
 このレポートは最後に、カコ氏が「放送したら身に危険が及ぶぞ」と電話で脅迫されたことを明かしながら終わっている。
 コロネル・サプカイアでは一次投票でのボルソナロ氏とルーラ氏の得票数が4254票ずつだったが、決選投票ではボルソナロ氏の票が276票増えたのに対し、ルーラ氏票が164票減っていた。
 ボルソナロ氏を支持する人たちが社会的立場を利用してボルソナロ氏への投票を迫る選挙ハラスメント疑惑は一次投票後に多く報告されていた。

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