ブラジル日本語センター=「日本語教育発信基地」稼働開始=日語教育ネットワークの中心に

開所式に出席した左から矢野理事長、江口JICA所長、桑名総領事、須崎基金所長、日下野名誉理事長
開所式に出席した左から矢野理事長、江口JICA所長、桑名総領事、須崎基金所長、日下野名誉理事長

 ブラジル日本語センター(矢野敬崇(のりたか)理事長)は3月25日、国際協力機構(JICA)から41万レアルの助成を受け、サンパウロ市ビラ・マリアーナ区の同センター内にオンライン日本語教育情報室「日本語教育発信基地」を開設した。同日、開所式を行った。

 同発信基地は、全伯の日本語学校および日本語教師のオンラインネットワークの構築を推進し、共通課題解決に向けた協力体制の中枢的役割を果たすことを目的に開設された。対面形式とオンライン形式を組み合わせたハイブリッド型定期研修勉強会の実施や国内外の日本語専門家を迎えたセミナー開催、地区を越えて参加できる研修会の体制強化、現場教師間での学びの場の設定、提供を行う。
 スピーチコンテストや作品コンクール表彰式など、すでにハイブリッド型で行われている各地方のイベントを録画、編集し、全伯レベルで共有する試みも行う。
 開所式には、在サンパウロ日本国総領事館の桑名良輔総領事、JICAブラジル事務所の江口雅之所長、国際交流基金サンパウロ日本文化センターの須崎勝所長ら来賓をはじめ、矢野新理事長、日下野良武前理事長(現・名誉理事長)ら日本語センター関係者が出席。全伯5地区に設置された地方情報室「リモート基地」からも日本語教育関係者がオンラインで参加した。
 矢野理事長は、ブラジルの日本語教育環境が変化し、従来の日本語学校での対面式指導から、オンラインを含めた個人授業での指導需要が増加していることに触れ、「(ブラジル日本語教育の)地ならし的なものができないかと思っていた時期に最適な支援を頂いた」と述べ、日本政府への感謝の気持ちを表した。
 また、2期4年の任期中に同プロジェクトのきっかけを作った日下野名誉理事長は、「各地域の開発と日本文化のファンを作ることが理事長時代の夢でした」と感無量の思いを語った。
 引き続き、挨拶に立った桑名総領事は近年の日本語学習者の背景が多種多様であるとし、広大な国土を持つブラジルで同プロジェクトを通じ、「一人でも多くの人が日本語学習をできるようになることを期待しています」と祝辞を述べた。
 日本語センターでは同プロジェクトの実践として、4月のハイブリッド勉強会を皮切りに各種オンラインイベントを増やしていく考えだ。

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 日本語教育発信基地の開所式で来賓挨拶を行なった国際交流基金サンパウロ日本文化センターの須崎勝所長が、多様化する日本語教育環境の一例を挙げた。アマゾニア州マナウス市では、経済危機で同地に避難しているベネズエラ人の大学生等を対象に、ブラジル文化省が「国境なき言語」として日本語の学習を推奨しているそうだ。ブラジル日系社会で日本人子弟の日本語学習者が減少する半面、こうした取り組みで特殊言語である日本語に興味を覚える非日系人がさらに増えていくかも。

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