特別寄稿=在住者レポート=パラグアイは今=ガソリン価格1万ガラニ超えも=ペトロパルは補助金で値上げ抑制=4月3日版=アディルザス代表(https://www.adirzus.com/)=硯田一弘(すずりだ かずひろ)

 一昨日から日本の新年度4月になりました。と言っても1月に始まる暦年以外に4月に組織や制度を改める年度制度を持つのは日本の他、北朝鮮やインド周辺国だけのようで、南米では4月に何かが改まるということはありません。
 ただ、キリスト教国では3月末から4月にかけて復活祭があり、南米諸国ではこの時期はいつも少し浮足立った感じがしてきます。
 因みに今年の聖週間Semana Santaは4月10日から17日まで、17日の日曜日が復活祭です。
 昨日のLa Nacion紙の一面でも、聖週間の間は日常を離れて地方の行楽地でノンビリすごそう”Desconectarse de la rutina en Semana Santa”という記事を一面に掲載して唯一の大型連休(4月14-17日)に国内旅行をすることを推奨しています(https://www.lanacion.com.py/la-nacion-del-finde/2022/04/02/desconectarse-de-la-rutina-en-semana-santa/
 この復活祭大連休を前に、今までかたくなに国境でのコロナ対策管理を厳しくしてきた隣国アルゼンチンが、出入国の必要条件をコロナ前の状態に戻す決定を下しました。やはり復活祭とそれに伴う聖週間が如何に重要な行事であるか、よくわかります(https://www.ultimahora.com/argentina-normaliza-requisitos-ingreso-previos-la-pandemia-covid-19-n2994402.html
 しかし、旅行を計画しても困るのが自動車燃料の価格上昇です。世界的な動きではありますが、パラグアイでもご多分に漏れず燃料の価格は上昇し続けています。
 パラグアイのガソリン価格は以下の表に示すようにレギュラーで157円、ハイオクで178円程度にまで上昇していますが、国営石油会社ペトロパル(PetroPar)は国民からの不満を抑えるために3月末から補助金を充てて価格調整をしており、レギュラーなら125円程度と民間企業の二割安となっています。
 この結果、ペトロパルの給油所はいつも大行列が出来ることになっています。

 ちなみに、パラグアイのレギュラーガソリンの価格の推移は以下の通り、20年以上に亘って4桁の価格を維持してきました。
 しかし先月の値上げにより、高級ハイオクなどで1万ガラニを超える5桁価格が登場した結果、多くの給油所で電光掲示サインボードの表示桁数が間に合わず、そこだけ印刷という看板が目立ってきています。
 ただ、ペトロパルだけが補助金を補填して価格を抑えることには、閑古鳥が鳴いている民間給油企業などの間から疑問の声も上がっており、当初5月上旬まで続けるとした調整価格は財源の不透明さなどから週明けにも見直されるとも報じられています(https://www.abc.com.py/nacionales/2022/04/02/petropar-define-el-lunes-cuanto-y-cuando-subiran-los-precios-de-combustibles-no-subsidiados/

 日本でも同様の問題が発生していますが、燃料の価格はインフレに最も直結する重要指標でもあり、早急に必要条件を満たした調整策が必要になっています。
 ちなみに復活祭の日程が毎年異なる事や、その計算の仕方はこれまでも何度も取り上げてきました。この日付を決める計算方法こそがコンピュータという単語の語源になったComputus、それに関する詳しい記述を見つけましたので御紹介します(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%88%E3%82%A5%E3%82%B9
 物価の上昇は世界的な流れですが、これを押さえる必要条件としての早期の和平実現や有効な気候変動対策の実施方法について計算できるスーパーコンピュータ利用方法の開発が待たれます。

パラグアイの言葉 requisito(レキシート)=必要条件 英:requirement 葡:requisito

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