南米にロラパルーザが戻ってくる!

ロラパルーザ・ブラジルの様子(記者撮影)
ロラパルーザ・ブラジルの様子(記者撮影)

 南米最大規模の音楽フェスティバル「ロラパルーザ」が18日、3年ぶりに戻ってくる。
 ロラパルーザとは、ロックを中心とした音楽フェスティバルで、発祥は米国にある。90年代は全米各地での公演形式だったが、2005年からはシカゴで3~4日間開催。11年にはチリを皮切りに海外版の展開を開始し、12年にはブラジルとアルゼンチンが参加した。サンチアゴ、サンパウロ、ブエノスアイレスの3都市間で出演者をローテーションで回すスタイルで人気を博している。
 サンパウロ市では14年からF1の聖地インテルラゴス・サーキットで開催されるようになり、19年には延べの動員数が20万人を超えるに至った。
 だが20年3月、開催まで残り1週間というタイミングでコロナウイルスのパンデミックが発生。ロラパルーザは「3カ月の延期」を発表したが、実現できず、21年まで再延期を発表。21年10月も実施できず再々延期となり、新たに出演者を組み替えて、22年3月に行うと発表した。
 今回も22年に入りオミクロン株が流行。2月末に行われる予定だったカーニバルも中止や延期となり、ロラパルーザもあわや再々々延期かと心配された。
 しかし、2月中に死者、感染者数がいずれも減少し始めたことで「マスク着用とワクチン証明の提出義務を課す」という形で正式に開催ゴーサインが出た。
 今回は18〜20日にアルゼンチンとチリ、翌週末の25〜27日にサンパウロ市で行われる。3地区ともひと月ほど前から積極的に広告展開を行い、ネットでも開催を盛り上げる記事が多く出ている。
 南米にとってはパンデミック以降初の大規模なイベントとなる見込みだ。聖市にとってもロラパルーザは州外、場合によっては国外から観光客が訪れる貴重な観光機会でもある。成功させて市の財政を潤したいところ。イベントの成功は「コロナに勝った」との世間に対してのアピールにもなるからなおさらだろう。
 だが、コロナは完全に収束したわけではない。いくら感染者、死者数が減少傾向にあるとはいえ、ロラパルーザが大きな「密」を生むイベントであることに変わりはない。これが理由で感染者を大幅に増やしてしまったら来年の開催以降にも関わる。
 コラム子としては、昨年の夏に日本のフジロックやサマーソニックで実施された「収容人数制限」措置を行って開催するのが適切だと思ったのだが、それはやらないようだ。
 いずれにせよ、南米に希望を与えるものになってほしい。(陽)

最新記事