《ブラジル》ようやくピーク越えの兆しか=感染者や入院者数が減少へ=死者数は1千人超だが

減少傾向を見せ始めた感染者の推移(保健省公式サイトより)

 オミクロン株による新型コロナ感染症の死者が1千人を超える状態が続いているが、感染者や入院者が減り始めた。ようやくピークを越えた可能性があるとの報道が出ている。
 ワクチン接種の進展で新型コロナの感染者や死者が減り続けていたところに出現したオミクロン株。前例のない速さの感染者増を招き、3日には1日の感染者が29万8408人、7日間平均も18万9526人に達した。だが、その後は減速し、9日時点の7日間平均は16万6046人に低下した。
 だが感染者増から2~3週間遅れる死者増は止まらず、3、5、8、9日は1日の死者が1千人を突破。9日現在の7日間平均は873人で、昨年8月12日の884人以来の高い数字となった。7日間平均は1月6日以降、増加の一途をたどっている。
 ただ、感染者増が減速した事で、観察中の感染者の数は6日の318万2910人(12・0%)を境に減り始め、9日には301万7168人(11・2%)になった。

死者の推移(保健省公式サイトより)

 入院者や死者の大半は未接種者か接種未完了者との報告が出ている事を考えると、新規感染者や観察中の感染者の減少はワクチン接種がさらに進んだ証拠で、自宅隔離者や入院者の減少と医療現場の負担の軽減、今後の死者減少も意味する。
 ワクチン接種の進展は12歳以上と5~11歳児の双方で起きている。サンパウロ州のドリア知事は9日、州人口の80%以上が2度の接種を終え、約1800万人が補強接種を受けた事で、入院者が8日連続で減少と報告。5~11歳児も52%が初回接種を受けている。
 小児への接種は1月14日から始まり、17日から本格化。虚報拡散や在庫切れ頻発のため、全国での接種率は期待された程伸びていない。だが、接種を受けた子供達に接種効果が出始めた事は、サンパウロ市の小児科病院(病棟)で入院者が減少し始めた事でも確認されている。
 12歳以上の未接種者や2度目の接種が遅れている人を探す作業や学校で接種を行う動きは、全国的な広がりを見せている。

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