速報=アルゼンチンで鉄道衝突事故=死者なし、30人が病院搬送

 ブエノスアイレス市パレルモ地区(Av, Alcorta y Dorrego)の高架橋で10日午前10時半ごろ起こった鉄道衝突事故は致命的な犠牲者は出ず、ブエノスアイレス市消防局が避難させた60人のうち半数が市内3病院に搬送され、2人はヘリコプターによって緊急搬送されたとホルヘ・マクリブエノスアイレス市長が発表した。
 鉄道労働組合オマール・マトゥラーノ氏によると、パレルモ鉄橋では10日前から、高圧電線の盗難によって信号システムが機能しなかったことから旗手により運行されていた。アルコルタ大通り上の鉄橋でサンマルティン線の乗客無しの車両が脱線停車しているところに、レティロ駅から乗客を乗せた車両を牽引するディーゼル機関車が追突して事故に至った。
 鉄道保守の問題は慢性的といえる。今回の車両は2012年から15年の間に導入された比較的新しいものだが、2012年2月にオンセ駅ではブレーキがきかず、終点駅で激突事故が発生し、700人以上が負傷、51人の命が失われる痛ましい事故が起きていた。アルゼンチン政府は当時のTBA社に鉄道運行認可の取り消しを行うなどの処置を下した。
 今回の事故を起こした鉄道サンマルティン線には1994年、メネム政権下の公的機関民営化に伴い、民営化企業に投資の義務を課していた一環として日本のJRからエンジニアが招請された。当時のエンジニアは「技術的な向上や故障部品の直し方、時短作業の方法などをいくら繰り返して説明しても理解してもらえなかった」と述べている。
 現在では「KAIZEN」と言えば通じるが、30年前は鉄道サービスをよくするという考え方が理解されない状況だったという。つまり鉄道保守の問題は現政府やその前の政府に始まったものではないといえる。
 幸い、今回の事故では乗客を乗せた車両がブレーキを踏んでいたので大惨事には至らなかった。なお、事故直後の乗客の混乱を捉えた映像があり、事故を生き延びた幸運を伝えている。

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