池坊ブラジル支部=初生け展示で新年祝う=「生け花普及心より願う」

来賓と生け花関係者らで賑やかに行われた記念撮影

 池坊ブラジル支部は12日、サンパウロ市リベルダーデ区のニッケイパラセホテルにて、第56回新年初生け式を行った。式には約130人が参加。会場には33点の生け花作品が展示され、新年の訪れを華やかに彩った。作品は14日まで展示され、400人以上が来場した。
 式典挨拶に立った河村徳子支部長は、池坊ブラジル支部の活動を紹介し、活動を支えてきた会員らに感謝を述べ、「今後もブラジル社会に生け花文化が普及していくことを心より願っています」と新年の抱負を語った。

 ブラジルいけ花協会の外塚クリスチーナ会長は、同協会に加盟しているブラジルの生け花団体の会員の約半数が非日系であることを紹介し、「池坊ブラジル支部の活動は、ブラジルの生け花文化普及につよく貢献している。非日系会員の多さは、河村さんたちの努力を裏付けるもの」と同支部の活動を称賛した。
 在サンパウロ総領事館の清水享総領事やブラジル日本文化福祉協会の石川レナト会長が登壇し、池坊ブラジル支部のいけ花文化普及活動を称えた。
 会場にはブラジル特有の花サマンバイアを使用した作品や、今年の干支の辰にちなんだ作品が展示された。
 来場した生け花愛好家の在サンパウロ・トルコ総領事館グルセル・エブレン総領事は、学生時代から日本文化が好きで日本語を勉強していたといい、生け花が好きになった理由を「生け花が載ったカレンダーを使っているうちに、生け花の魅力がわかるようになりました」と話した。グルセル総領事は「こんばんは」「ありがとう」「さようなら」など日本語で挨拶を交わしていた。

生け花を興味深く観るレアンドロさん(右)

 初めて生け花の展示会に訪れたというレアンドロ・オグラさん(35、3世)は展示されている作品を興味深げに鑑賞しながら「日本文化とブラジルの花が融合していて、とても興味深い。一つの生け花作品にこんなにも美を込められるのか」と感心した様子で感想を語った。

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