文協、ブラジル全日系連絡網構築へ=「Bunkyo NET」を再稼働

ブラジル全土から集まった地方団体代表と文協幹部

 サンパウロ日本文化福祉協会(文協)は5月31日、「第682回文協理事及び地方理事会」を聖市の同協会ビルにて開催した。文協理事、アマゾナス、南麻、南大河州などブラジル各地の地方理事ら約50人が集い、石川レナト会長の掲げる活動方針「地方団体との連動」などについて議論。文協を中心としたブラジル全土の日系団体連絡網の構築、日系団体情報発信サイト「Bunkyo NET」の再稼働を決めた。

 石川会長は多くの日系団体が会員の高齢化と青年会員減少によって、活動能力が失われているとし、問題解決のため、文協を中心としたブラジル全土400日系団体の通信連絡網の構築を提言。文協が地方団体の状況を把握し、それぞれが必要とする情報やノウハウの共有を図るという。
 また、情報発信能力強化のため、文協が06年に立ち上げ、11年に活動を停止させていた「Bunkyo NET」の再稼働の提言も行った。「Bunkyo NET」では地方日系団体の活動情報をまとめ、発信する。
 石川会長の提言に対し、出席者からは賛同意見が表明され、今後事業として取り組むことが決定した。バイーアブラジル日本文化連盟会長のリカ・カワノ地方理事は「地方連携の取り組みは必要な物であり、実現に向けて大いに協力したい」と語った。
 同理事会ではこのほか、移民115周年ロゴマークのデザインをしたジウマール・ナシロさんによるデザイン解説、サンタクルス日本病院外郭研究団体「サンタクルス学術研究所」の事業紹介、文協国際交流委員会矢野敬崇委員長による同委員会活動説明が行われた。

サビアの独り言

 コロナ禍は、日系社会に多大な負の影響をもたらしたが、その一方でオンライン交流文化を普及させた。
 これまでブラジル全土の日系団体をまとめ、連携を図ろうとする試みは幾度も行われたが、実現には至っていない。
 オンライン交流が浸透した現在なら、これまで実現しなかったブラジルの各日系団体の連携もできるようになるのではと期待が高まる。

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