【21日の市況】財政リスクの後退でIbovespaは0.53%上昇、ドルは0.07%下落で5.20レアルに

(※市況記事の無料公開は4日後からに変更されました) 

 21日は取引量が少なく、経済・政治関連のニュースが空振りとなった。21日(水)のIbovespaは0.53%高の107,433ポイントとなり、3セッション連続の上昇で取引を終えた。ブラジル証券取引所の主要株価指数は、国内のニュースに部分的に反応したが、外国からの楽観的な見方にも従った。
 ニューヨークでは、ナイキとフェデックスの主要2社の四半期決算を受け、主要指数はマイナス圏から上昇に転じ、2セッション目で高値引けとなった。ダウ平均は1.60%、S&P500は1.49%、ナスダックは1.54%の上昇となった。
 国内では、「移行PEC」が下院で第2回の承認を受け、上院に移行したことが最大のハイライトとなった。移行PECは引き続き注目され、ブラジル市場にボラティリティ(変動性)をもたらしている。PECの規模縮小は財政分野に反映され、将来の金利がカーブを描くように後退し、短期的にはリスクテイクに有利となると見られている。
 本日承認され、すでに公表されたPEC文書では、歳出上限の枠外に1450億レアル、2023年に制限する内容になっている。この数字と期間は、以前、次期政権が望んでいた2000億レアルで4年間という案よりかなり小さい。
 世界の他の通貨に対するドルの強さを示すDXYは0.23%上昇して引けたものの、米国通貨はレアルに対して0.07%の微減となり、売買は5.203レアルで行われた。
 その結果、ブラジルのイールドカーブは全体として低下した。2024年向けDIは3ベーシスポイント減の13.75%、2025年向けDIは11.5ポイント減の13.25%で取引を終了した。2027年産は9.5ポイント減の13.10%、2029年産は9ポイント減の13.08%であった。2031年のDIは、ついに11ポイント減の13.06%となった。
 リスク資産のやや良いムードも反映して、ドルは小幅下落で引けた。将来の金利契約も、今日は移行PECの骨抜きで財政が緩和されたように見えるため、特に長めの金利が下落した。市場は、上限外の経費が1年分削減され、財政が楽になるとの楽観的な見方をしている。金利の下落は、米国債の下落にも追随していると見られている。
 そのため、Ibovespaの主な高値の中には、国内市場に関連する株式が含まれている。ハプビダ(HAPV3)の普通株は4.49%、レデ・ドール(RDOR3)は4.48%、スルメリカ(SULA11)は6.33%上昇した。
 本日、CADEによるRede D’OrのSulAmérica株式購入の承認を受けて、Rede D’OrとSulAméricaおよび他のヘルスケア企業が順調に上昇した。両社は昨日、合併を完了し、両社にとってプラスに作用しているとのコメントが出ている。
 これらの株式のほかに、またIbovespaの高値銘柄のうちで注目されるのは、10月の結果を発表した後に24.69パーセント高で閉じたIRB(IRBR3)の株式だ。ゴル(GOLL4)やアスール(AZUL4)も、航空会社のPISやコフィン料金を撤廃する暫定措置を反映して上昇した。
 ペトロブラス(PETR3;PETR4)の資産は2%以上増加した。これは、米国の在庫が予想以上に減少したというデータを受けて、ブレント原油が1バレル82米ドルで2.8%上昇したためだ。だが、年末には米国内に大雪が降るとの予想もあり、旅行関係の銘柄の価格の上昇が止まっている。

最新記事