ブラジル日本語センター=6部門1180作品を審査=全伯日本語学校作品コンクール

 ブラジル日本語センター(矢野敬崇理事長)は10月16日、「全伯日本語学校作品コンクール表彰式」をサンパウロ市ビラ・マリアナ区の同センターで対面とオンラインのハイブリッド方式で開催した。同コンクールは「日本語学習者の意欲を高め、活発で多様な教室活動を目指すと共に、日本文化への理解を深め豊かな人間性を育てる」ことを目的に毎年実施され、今年はブラジル全土の日本語学校生徒から、1180点の作品が応募された。

 35年前のコンクール開始当初は、募集対象分野は硬筆作品だけだったが、現在は作文、絵画、書道、まんが、イラストの6分野となっている。応募作品1180点の中から、最優秀賞6点、絵画115点、書道84点、硬筆93点、作文30点、まんが14点、イラスト39点の計375点が入賞作品として選ばれ、最優秀賞受賞者にはトロフィーと賞状が贈られ、金、銀、銅賞受賞者にはメダルが贈呈された。

 式典には対面、オンライン参加者あわせて計約200人が参加。国際交流基金サンパウロ日本文化センターの洲崎勝所長、JICAブラジル事務所の片岡龍之介所員、汎スザノ農事体育協会の山上雄二副会長、サンパウロ日本人学校の植草貴久男校長らも出席した。式典の様子はYouTubeにてライブ配信された。
 同センターはコンクール開催に協力した関係者、とりわけ生徒の作品製作から表彰式の開催にまで携わった各校の日本語教師へ「オンライン授業環境では、生徒と作品を作るのにもとても苦労されたと思います。改めて、先生方のご尽力に頭が下がる思いです」と感謝を述べた。

作文部門最優秀賞=テクノロジーの使い方=ルイス オリヴェイラ トメアスー日本語学校

 テクノロジーは毎日の私たちの生活にあります。たとえば、電気せいひん・のりもの・インターネットなどです。テクノロジーのおかげで、私たちの生活はどんどん便利になってきています。
 今、インターネットが発達していてなんでも調べることができます。ほとんどの人々がネットワークを利用しています。
 テクノロジーの発達はインターネットだけではなく、生活に欠かせないものがたくさんあります。
 パンデミックの中で、とくに教育はテクノロジーの恩恵をうけたと思います。オンライン授業が多くの学生をたすけました。私には、オンライン授業はたいめん授業にくらべると、少しわかりづらいこともありましたが、勉強が続けられてよかったと思っています。しかし、パソコンやけいたい電話・インターネットが家になく、せっかくのオンライン授業がうけられなかったクラスメイトがたくさんいました。その人たちはプリントだけで、よくわからないまま次の学年にあがったそうです。
 私は、インターネットがあってオンライン授業にさんかできてよかったですが、同じクラスで勉強したい人が全員は、オンライン授業ができませんでした。私は思います。テクノロジーは便利ですが、それが使えないかんきょうの人は、勉強がしたくてもできない時もある。どんどん差ができてしまうと思います。
 国のほじょやサポートがあったら、どんなにいいだろう、と思いました。日本では、タブレットを学校からかしてもらってオンライン授業にさんかできた人もいると聞きました。ブラジルも同じようになったらいいと思いました。
 また、インターネットは便利ですが、子どもたちと若い人たちの中に、ソシアルネットワークのちゅうどくにかかっている人が多くいます。それは将来悪いことになると思います。人と人との会話がなくなってしまいます。
 私には会話がとても大切です。家族や友だちの会話の中で自分の気持ちと相手の気持ちがわかります。時々、反対意見やけんかもありますが、それは人と人の絆が強くなります。
 今の若い世代は一日中けいたい電話やネットワークを使うのではなく、もっと家族や友達と話ができたら良いと思っています。
 私はテクノロジーが悪いと思っていません。私たちの生活を便利にするために必要です。でも、ブラジルは、使える人、使えない人の差がありすぎます。日本のタブレットのかしだしのように平等になればいいと思っています。
 テクノロジーの良い点と悪い点は、人が正しく使えるかどうかにかかっています。
 (*応募作品をそのまま掲載しています)

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