全国主要300道路で封鎖スト=トラック運転手ら大統領選結果に抗議

抗議の風景(Marcelo Pinto/A Plateia)
抗議の風景(Marcelo Pinto/A Plateia)

 大統領選の結果判明直後から、ボルソナロ大統領を支持するトラッック運転手たちが全国の主要道路300カ所以上をトラックで塞ぐ抗議行動(スト)を敢行。また、取り締まるべき連邦道路警察(PRF)が抗議行動に賛同したりしたため、最高裁が最悪の場合は抗議主導者やPRF長官を逮捕するようを命じた。10月31日〜1日付現地紙、サイトが報じている。
 トラック運転手たちの抗議行動は、大統領選の結果が出た10月30日夜、サンタカタリーナ州や連邦直轄区などからはじまり、翌31日には20以上の州に拡大。封鎖箇所は300カ所を超えた。
 サンパウロ州では1日朝の時点で国道153号線、レジス・ビッテンコート、モジ・ヅットラ、ラポーゾ・タヴァレスといった幹線道路が封鎖されていた。
 抗議者たちはグアルーリョス空港へ向かう道も塞いだため、同空港では10月31日以降、欠航便が相次ぐなどの被害が出ている。また全国で、物資が届かないなどの被害も報告されている。
 参加者は軍隊に関して定めた憲法142条を「軍事介入する権利」と曲解して、軍事クーデターを煽るなどの行為を行っている。
 選挙高裁長官でもある最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事は10月31日にPRFにスト解除を求めた。だが、PRF内では抗議活動に賛同する警察官が続出した。PRFは大統領選当日も、禁止されていた検問を実行。ルーラ氏のステッカーを貼った車が投票場に行くのを妨げるなどの行為も報告されていた。
 モラエス判事は31日22時過ぎ、PRFへの命令を強化。従わない場合は10万レアル/日の罰則を科した上、PRFのシルヴィネイ・ヴァスケス長官には従わない場合に停職や逮捕もあると告げた。同長官はボルソナロ大統領支持を公言し、投票日の公共交通機関への検問を命じた人物でもある。最高裁も緊急の全体審理でこれらを承認した。
 1日はアンデルソン・トーレス法相や知事たちもスト収束に向けて動き始め、PRFや軍警もゴム弾や催涙ガス弾などを使ってスト解除を進めている。

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 大統領選が終わって以来、ボルソナロ大統領支持派のトラック運転手による主要道路を塞ぐ抗議行動が全国的に展開されている。ただ、ラヴァ・ジャット疑惑の中で行われた大統領選でジウマ氏が勝利した後の緊迫感と比べると、ネット上では抗議者に対して冷ややかな反応が目立つ。「ボルソナロ氏が逆転勝利」の虚報を信じて喜ぶ抗議者、塞がれた道路付近のファヴェーラ住人が抗議者を追い払う姿、「軍の介入」を求めておきながら解除に訪れた軍隊からからしスプレーを撒かれることに不満を述べる抗議者。これらが動画で皮肉交じりに拡散中。混乱が続くのはいつまで?

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