検察庁、連邦道路警察長官の即時解任要請=職権使い反民主主義的行動=ストやデモの支援者も判明

ヴァスケス連邦道路警察長官(Divulgação/PRF)
ヴァスケス連邦道路警察長官(Divulgação/PRF)

 【既報関連】統一選決選投票日の10月30日以降頻発している反民主主義的な抗議行動に関する捜査が進む中、連邦検察庁が15日、シルヴィネイ・ヴァスケス連邦道路警察(PRF)長官の即刻解雇と行政上の不正断罪を要請したと15、16日付現地紙、サイトが報じた。
 同長官は大統領長男のフラヴィオ上議が推薦、大統領が任命し、2021年4月に就任した。決選投票直前は公式イベントや会見、SNSなどで大統領への投票を求めていた。
 また、選挙高裁が禁じていた有権者を乗せたバスの検問を、ルーラ氏の票田である北東部を中心に実施。決選投票日に行われた有権者が乗るバスへの検問数は一次投票時の倍以上で、選挙高裁長官が違法として即時停止を命じた。
 また、決選投票後に始まったボルソナロ派のトラック運転手による幹線道路封鎖でも、意図的に解除命令に背いていた可能性がある。PRFや軍警がスト参加者を支援し、空港周辺の幹線道の鉄条網を切断する映像などは物議を醸したが、ボルソナロ大統領は1日夕刻に行った最高裁判事らとの会談で、同長官の捜査は行わないように求めていた。
 他方、同長官の捜査と並行して、連警、軍警、市警と検察庁、州検察局が行っていたボルソナロ派による幹線道封鎖と軍関連施設前で軍事介入を求めるデモ(抗議行動)関連の捜査では、リーダーや支援者などが明らかになり始めた。軍施設前のデモは2、7、15日に起き、トラックなども使われた。
 最高裁への報告書では抗議行動のリーダーやトラック所有者、簡易トイレや街宣車、食料などの提供者、抗議行動を煽り、資金を拠出した人物などが明らかにされている。リストには、農場主や企業家、現・元市議などの政治家、刑務所職員を含む公務員、組合員などが含まれている。
 また、PRFは9日までに幹線道封鎖関連で46人逮捕との報告書も出している。
 反民主主義的な抗議行動支援者の一人はボルソナロ派の企業家の筆頭格、ボルソナロ氏落選時のクーデター賛同者の一人とされていた、サンタカタリーナ州のルシアノ・ハング氏だ。同氏は2日のデモ参加者向けの昼食会でデモを賞賛。「就任までは覆し得る。ブラジルには君達のような闘士が必要だ」と語ったと報じられている。

最新記事