COP27に次期政権代表派遣へ=ルーラ政権の環境政策に注目集まる

ルーラ氏(前列中央)とマリーナ氏(前列左)(10月31日付イストエ誌サイトの記事の一部)
ルーラ氏(前列中央)とマリーナ氏(前列左)(10月31日付イストエ誌サイトの記事の一部)

 世界的な環境活動家で労働者党(PT)政権の元環境相のマリーナ・シルヴァ氏(レデ)が10月31日、ルーラ氏が6~18日にエジプトのシャルムエルシェイクで開催される国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)に代表団を派遣すると語ったと同日~1日付現地紙、サイトが報じた。
 同COPの焦点は、地球温暖化による予防しても不可避の被害に関する「損失と損害」や、5年毎に改定される温室効果ガス削減目標改定のための「科学的進捗評価」とカーボン(炭素)取引に関するパリ協定第6条関連の交渉、機関投資家や企業、都市、非政府組織(NGO)の動きの3点とされている。
 PT政権時代のブラジルは法定アマゾンの伐採削減などで気候変動対策に積極的な国と見られていたが、ボルソナロ氏は地球温暖化には否定的で、18年選挙で当選後に食糧確保のための法定アマゾン開発を説き始めて以来、森林伐採や鉱物の不法採掘などで国際的な批判を浴びている。
 そういう意味で、今回選挙でのルーラ氏当選は環境問題を重視する国や機関から歓迎された。その証拠の一つがCOPへの招待で、当選後のルーラの最初の国際舞台登場となる可能性が生じた。
 ルーラ氏がCOPに参加する可能性に最初に言及したのはパラー州知事のエルデル・バルバリョ氏で、法定アマゾンの知事達が組む派遣団に参加するよう誘ったという。また、エジプトの大統領も1日にルーラ氏を招待した。ブラジルはCOPで、現政権派遣団、民間団体ブラジル気候活動ハブ、法定アマゾンの知事主導の派遣団の3パビリオンを展開する。
 ルーラ氏の参加は未定だが、次期政権の代表団にはマリーナ氏の他、シモーネ・テベテ上議(民主運動・MDB)、ニルト・タット下議(PT)セルソ・アモリン前外相らが参加する見込みだ。
 マリーナ氏は決選投票前に会議参加を表明済みで、来年は環境相に返り咲くと見られている。テベテ氏は教育相にとの声があるが、COPではパネラーとしてアグロビジネスとの関係などを語る見込みだ。タット氏は環境関連の活動に積極的に参加し、下院でも当該委員会に所属。アモリン氏も外交官としての実績が買われている。

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