華やか師弟演舞で会場魅了=花柳龍千多さん祝賀会

祝賀会で『千鳥』を披露する龍千多さん(前列中央)と日系踊り会のメンバー

 クリチバ市議会で13日に行われた花柳龍千多(りゅうちた)さんへの表彰状授与式の後、同日午後9時からクリチバ市内「原ホテル」に隣接するレストランで祝賀会が開かれた。会場には、表彰状を授与した瀬戸ノリヤス市議家族をはじめ、クリチバ日伯文化援護協会(クリチバ文援協、吉田ロベルト・イサム会長)関係者、日系踊り会メンバーや龍千多さんの友人・知人ら約100人が詰めかけた。
 祝賀会は、山脇ジョルジ元市議が司会進行し、会場では龍千多さんと日系踊り会のベテランメンバーが日本舞踊3曲を披露した。
 最初に黒の着物姿で登場した師匠の龍千多さんが、『花の舞扇(まいおおぎ)』を披露。続いて、日系踊り会の初期からのメンバーである林・ナガオ・マサコ・ドラリセさん(3世)、久保マリさん(2世)、石田雅子さん(秋田県出身)、菊地洋子さん(宮城県出身)の4人が師匠とは対照的な明るい色の着物姿で『花』を舞った。
 3曲目は前述の初期メンバー4人に加えて、昨年から日本舞踊を始めた鈴木・小川ホザネ共代さん(55歳、2世)と、当初は踊る予定ではなかった龍千多さんが弟子たちから誘われて飛び入りし、6人で『千鳥』を披露。師弟による息の合った舞踊で来場者を魅了した。
 その後、クリチバ文援協の河村敏和副会長の音頭で乾杯が行われ、「乾杯、万歳、ビーバ!」との発声で杯が掲げられた。
 会場には、1995年6月4日にクリチバ市内のフェルナンダ・モンテ・ネグロ劇場で行われた「クリチバ花柳龍千多会」主催の「第一回温習会」公演プログラムを持参していた、当時は幼少だった門下生の姿もあった。
 クリチバ文援協元副会長で、夫婦で出席していた三浦孝(たかし)さん(69歳、2世)は、3姉妹の娘が10代の頃に龍千多さんから日本舞踊の指導を受けていたことを述懐。「龍千多先生には当時、踊りだけでなく、幼かった娘たちに箸(はし)の置き方やコップの持ち方など日本的な作法も教えていただき、今でもそうした教えを娘たちは守っています」と話した。
 龍千多さんは、「今日はこうしてたくさんの皆さんに来ていただき、私は本当に幸せ者です」と感無量の表情を見せていた。

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