《ブラジル》ACMネットが「白人」登録を「褐色」に修正=バイア州知事選での対策か?

ACMネット氏(Facebook)

 バイア州知事選候補でウニオン・ブラジル幹事長でもあるACMネット氏が、「ブランコ(白人)」と申告後に「パルド(褐色系)」に訂正していたことが判明。同氏は中央政界でも有名な大物政治一族出身だけに、登録内容の修正判明で物議を醸している。21、22日付現地紙、サイトが報じている。
 ACMネット氏が選挙高裁に「白人」と登録したが「パルド」に訂正されたことは複数の報道で明らかになった。選挙高裁の人種申告は2014年の選挙からはじまり、8月7日に提出した申告書には「白人」と書かれているが、選挙高裁のサイトでは「パルド」となっている。
 この報道後、本人は「これまでもパルドと申請して来た」と主張した。確かに、2016年と18年の選挙高裁のサイト情報ではパルドとなっているが、少なくとも、今年の電子登録時は「白人」と書かれているのに、サイト情報は「パルド」となっている。メディアの質問には「選挙高裁の手違い」「即日修正された」と答えた。
 ACMネット氏はバイア州を代表する有名保守政治家だったアントニオ・カルロス・マガリャンエス(ACM)氏の孫で、ACM氏は白人として知られていた。
 この報道後、労働者党(PT)など対立政党は同氏の登録無効を主張。一部メディアでは、ACMネット氏はパルドと申告しはじめた頃から以前よりも肌の色が濃くなったとして、「人工的に日焼けを行っているのでは」との疑問を呈している。
 ACMネット氏は有名政治一族故に知名度も高く、バイア州知事選での支持率も1位だが、同州は国内きっての左派地盤で大統領選ではルーラ氏の支持が圧倒的なため、同州に多い黒人有権者対策としてパルドと名乗っているのではないかと見る声が出ている。
 同州知事選の世論調査でも、先月は54%だった同氏の支持率は48%に急落し、PTの候補ジェロニモ氏が16%から31%に急上昇していた。

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